関東と関西の違い?東京と大阪の違いとは少し違うよ

関東と関西の語源ですが、それは「関」の東と西ということです。この「関」は、百人一首に詠まれた逢坂の関をはじめとして、時代によっていくつか存在しています。岐阜県にある関ヶ原は、徳川家康率いる東軍と石田三成が集めた西軍とが戦った古戦場で、関西はこの関ヶ原より西の地域と考えていいでしょう。

具体的には滋賀県・三重県・京都府・奈良県・大阪府・和歌山県・兵庫県ということになります。

三重県は愛知県と岐阜県にも接しているので、一部は中部地方と考えたほうがいいかもしれません。関東は、関ヶ原よりはずっと東にある箱根の関所から東の地域と考えるといいでしょう。具体的には神奈川県・東京都・千葉県・埼玉県・群馬県・栃木県ですが、静岡県東部や山梨県や長野県東南部も関東地方に入れることがあります。日本を分ける「関」の東と西ですから、歴史的に形成されてきた文化も言葉もずいぶん違います。関東と関西の違いについて考えてみます。

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文化の違い

関東地方の中心は日本の首都東京で、関西地方の中心は大阪です。これらの都市を中心にして、関東地方と関西地方はそれぞれの文化圏を形成しています。東京と大阪を比べると、東京都は23区で大阪市は24区と、区の数では大阪市が東京都を上回っています。しかし、東京都23区は面積が626.70平方キロメートルで人口が約950万人であるのに対して、大阪市は面積が225.21平方キロメートルで人口は約270万人ですから、東京都に比べるとかなり小さいのが現実です。

しかし関西には、日本最大の古墳である応神・仁徳天皇陵もあれば、平城京も平安京も近江京もあり、日本の歴史からいうと関西は関東を圧倒しています。もちろん関東にも、同時代にそれなりの文化があったようで、誰を埋葬したものかはわかりませんが、埼玉古墳群もあります。神話時代から、関東と関西は張り合っていたのかもしれません。

日本で最初に蒸気機関車が走ったのは関東で、新橋と横浜の間だったことはよく知られていますが、日本で最初の路面電車は京都の市内を走りました。江戸時代末期に、それまで鎖国していたわが国は、いくつかの港を外国に開きましたが、横浜と神戸が日本を代表する港湾都市として競っています。千葉県の湾岸エリアに東京ディズニーランドがあり、活況を呈していますが、かなり遅れたものの大阪のUSJも検討しています。

最近ではあまり意識されることはなくなりましたが、交流電気の周波数が関東と関西では違っています。日本を二つの分ける大地溝帯の東は50ヘルツ、西は60ヘルツです。この周波数の違いを調整することができなかった昔の電気製品は、関東と関西で共通して使用することができなかったのです。
このように、上方と呼ばれた関西と江戸を中心とする関東とは、文化の面でもいろいろな対比ができます。

食べ物の違い

料理をするのに醤油を使います。関東では野田の醤油が有名ですが、関西では兵庫県の辰野の醤油が400年の歴史を誇っています。関東の醤油は濃口、つまり色の濃いものですが、関西は薄口、つまり色の薄いものです。ですから、京料理に代表される煮物は、関西では薄い色をしています。

料理の味付けのベースである醤油がこのように違っていますので、関西のうどんの汁は薄い色をしているのに、関東のうどんは濃い色の汁になります。関東にもうどんはありますが、どちらかというとそばが主流です。それに対して関西は、そばもありますがやはりうどんが主流です。「きつね」と言えば関西では甘い味のあげの入ったうどんです。関東では、「きつね」のあとにそばかうどんを付け加える必要がありますし、どちらかというと揚げ玉ののったたぬきそばが麺類の代表です。

寿司も、江戸前寿司はにぎり寿司が中心ですが、関西では寿司のセットにはにぎり寿司のほかに押し寿司が必ず入っています。ちなみに、「江戸前」というのは「江戸の前の海で採れた」という意味で、東京湾の魚を使って作った寿司のことです。アナゴが有名なのは、江戸時代には東京湾の河口付近でアナゴが採れていたのです、それに対して関西の鯖寿司は、大阪湾で採れた鯖ではなく、「越前鯖街道」という言葉が残っているように、福井県から塩漬けにされた鯖が京都まで運ばれ、それが酢や昆布で加工されて寿司に使われたということです。

笑いの違い

東京には有名な寄席が何軒かあり、そこで落語が話されますから、東京代表的な笑いは落語ということになります。江戸落語の伝統は今でも残っていて、笑いを取るというよりは話のうまさで観客を楽しませます。それに対して上方落語は、巧みに観客の笑いを取りながら話を進め、最後のオチで大笑いをさせるというものです。

一人で話す落語に対して、ふつうは二人組で話すのが漫才師です。大阪の漫才はボケとツッコミの二人組が、「しゃべくり漫才」とも呼ばれるようにひたすらしゃべりまくって観客笑いを取ります。それに対して東京の漫才は、ひたすらしゃべるのではなく、ときには社会批判をしたりして、観客の知的部分に触れながら笑いを誘います。

この笑いの違いは、全国各地の大名が参勤交代で江戸に集まり、江戸が武家社会だったのに対して、大阪は全国の商人が集まる町人社会だったことからきているようです。

名物の違い

「名物にうまいものなし」などと言われますが、関東と関西の名物をいくつかあげてみることにします。群馬県の下仁田はコンニャクの産地としても有名ですが、下仁田ネギでも有名です。それに対して関西には、九条ネギがあります。九条というのは京都の東西の通りの名前で、京都駅の南にあります。京都は千年の都と呼ばれ、古くからの文化が残っていて、名物もいろいろありますが、湯葉は有名です。それに対して、関東では日光の湯葉があります。

水戸は徳川御三家の一つ領地で、水戸徳川家は副将軍でしたから、江戸時代の文化がいろいろ残っています。梅園もその一つですが、梅は花が散ったあと実がなります。その実から作ったのが梅干しです。関東の水戸の梅干しに対して、関西は和歌山県の紀州の梅干しが有名です。ちなみに、紀州も徳川御三家の一つで、八代将軍吉宗は紀州の出身です。

名物にもその土地の歴史が隠れています。名物をあげるとまだまだ話は尽きませんが、これくらいにしておきます。

名所の違い

関東の名所として名を挙げるとすれば、鎌倉と日光ということになるでしょうか。平城京や平安京のあった関西に対抗して、源頼朝によって鎌倉に幕府が開かれました。その後室町幕府は京都に移りましたし、戦国時代を勝ち抜いた豊臣秀吉は大阪に巨大な城を作りましたが、徳川家康のときに江戸幕府が開かれ、ふたたび関東が日本の中心の地位を取り戻しました。日光にはこの家康が祀られています。

関西は、大和朝廷の時代から日本の中心だったので、名所をあげればキリがありません。聖武天皇の時代の東大寺は奈良にありますが、奈良には野生の鹿が、東大寺と春日神社周辺を自由に歩き回っています。平安京だった京都には、たくさんのお寺や神社がありますが、幕末の新撰組と勤皇の志士の名残もあります。

まとめ

関東と関西とでは、言葉や歴史や文化や生活習慣など、いろいろ違いが目につくのですが、意外とそれらにはある種の対応関係があることが見えてきます。同じすき焼きでも、関東風と関西風があり、なかなか面白いですね。明治以降に急速に発展して世界でも有数の都市に成長した東京が、意外にも浅草のような古い町並みを名所にする一方、千年の都である京都の駅前に近代的な京都タワーが立っていたりします。関東も関西も広いですから、ゆっくりと各地を散策してみたいものです。

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