全治と完治の違いを知ってますか?その違いは・・・です

ケガをしたとき、診断書に全治○ヶ月と書かれているのを見ることがあるし、医師の口から同じ言葉を聞くこともあります。全治だから、完全に治癒するという意味だと考えてはいけません。それからもうひとつ、完治という言葉もあります。これも完全に治癒できたという意味なのでしょうか。全治と完治、さて、それぞれ本当はどういう意味なのでしょうか。

スポンサーリンク
スポンサーリンク

全治

ケガをして、重傷なのか軽傷なのか、その違いは、この全治の期間によります。全治30日以上が重傷で、それ以下が軽傷ということになります。では、全治30日の重傷を負った場合、30日で治療が終わるという意味なのでしょうか。全治30日というのは、医師の用いる専門用語で、30日間の通院加療が必要だという意味なのです。もちろんそれはあくまでもひとつの目安であって、30日間通院したらもう治療の必要はなくなる、というわけではありません。逆にまた、30日間通院しないでも大丈夫なこともあります。繰り返しになりますが、全治○ヶ月というのは、傷が完全に治るのに○ヶ月かかる、ということではありません。ですから最近は、この全治という言葉をあまり使わない病院も増えてきたということです。

完治

完治は、全治とは違って、一応、傷が日常生活に支障がないほどに治ったことをいいます。しかし、日常生活ですから、スポーツ選手などの場合は、少し事情が変わってきます。たとえ完治したとしても、以前のような激しい運動はできないかもしれません。全治の場合と違って、完治○ヶ月という言い方はいません。全治○ヶ月という医師の診断により、その期間通院して治療を受け、その後リハビリなど、その全治期間よりかなり長い期間を経て、ようやく日常生活に支障がない状態になることが一般的です。

違い

全治と完治の違いを、もう一度振り返ってみましょう。

全治は、入院加療が必要と認められると医師が判断した期間のことをいいます。ですから、医師の診断書には、全治○ヶ月と書かれるのです。事故などのように補償が必要な場合、この医師の診断に応じて補償金額が定められることがあります。完治は、日常生活に支障がない程度に回復した状態のことをいいます。全治○ヶ月の診断通り、その期間の入院加療で傷はよくなったとしても、その期間、安静にしていたり、手足を動かさなかったりしたとするので、筋肉が萎縮したりして、日常生活に支障をきたすことがあります。全治の期間が過ぎても、完治に至るには、まだかなりの時間を要するのです。

加療期間

この全治と完治の違いがもっともはっきりわかるのは、骨折の場合です。骨折とは、骨が折れると書きますが、実際には、骨が壊れた状態、つまり骨にひびが入ったり、骨の一部が欠けたり曲がったりすることをいいます。骨折の原因としては、外部からの衝撃による外傷骨折、同じ個所にある期間力が加わったことによる疲労骨折、骨粗しょう症のような病気によって引き起こされる病的骨折があります。また、骨折した骨が皮膚の外に出ない単純骨折と、骨が外に出てしまう開放骨折があり、後者では、外に出てしまった骨を内部に戻すための手術が必要です。

単純骨折の場合ですと、損傷した骨が再生するのを待つために、ギブスで固定して動かないようにする治療が一般的です。症状によっては、破損した骨をつなぐための金具などを挿入しなくてはなりません。一言で骨折と言っても、以上のようにさまざまな骨折があるとともに、どの部位が骨折したかによって、加療期間も違います。何かにぶつかって、足の指を骨折したような場合には、テープで固定しておけば自然に治癒することもあります。

全治○ヶ月という加療期間は、あくまでも医師の診断書に記載されることであり、骨折した骨が、ある程度もとの状態に戻るまでの目安であると心得てください。この全治の期間を過ぎたからといって、骨折の場合は、リハビリの期間が必要です。例えば、大腿骨を骨折した場合は、歩くことができません。入院してベッドに寝ている期間に、脚の筋肉が衰えてしまいますので、ギブスがとれてからも、リハビリをしなくてはなりません。ギブスをしている期間が全治の期間で、ギブスがとれたあとリハビリをして、日常生活が支障なくできるようになるまでの期間が完治の期間ということになります。

ケガの程度

軽傷は、基本的には入院や加療が必要でないケガです。
中傷は、軽傷と重傷の中間で、加療期間が30日未満のケガです。
重傷は、命に別状はないけれども、加療期間が30日以上のケガです。
重体は、心臓や他の臓器などにひどい損傷があり、生命が失われる危険がある状態です。ケガだけではなく、病気のときにも、病状が悪化して重体になることがあります。

まとめ

病気もケガも骨折も、あまり経験したくないことですが、生きているかぎり、その危険と向かい合って生きていかなくてはなりません。ケガをして、全治○ヶ月と診断されても、その期間でケガが完全に治るというわけではありませんので、注意してください。加療期間の途中で、これで大丈夫と思って無理をしたら、傷口がまた開いたりして、加療期間がさらに長くなってしまうこともあります。加療期間が終わっても、完治するまでには、リハビリなどをしなくてはならず、完治するまでには全治期間の何倍かの期間を要することも稀ではないと、心得ておいてください。

スポンサーリンク
スポンサーリンク
スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする