前日からアルコールやタバコを控えたり食事制限をしたりして、覚悟をきめて臨んだ健康診断ですが、その結果がきてからもっと大変になることがあります。血液検査や尿検査の結果は一見して何がなにやらわからない数値が並んでいて混乱してしまいますが、標準的な数値の範囲が示されてるので、それより大きくても小さくてもダメということになります。そしてダメなときには検査結果の報告書に要再検査という文字が書かれています。さあ、その場合はどうすればいいのでしょうか?どこで再検査を受ければいいのでしょうか?
再検査受診の病院
健康診断を受診した結果、ある項目の数値や画像が異常だった場合に要再検査または、要精密検査と書かれて診断結果が戻ってきます。この表示がされた場合にはもう一度健康診断を受診しなくてはなりません。数値というのは何かの具合で高くなったり低くなったりしますから、健康診断の当日だけ異常な数値が出たのかもしれません。あるいはもしかしたら、すでに重大な病気を抱えていてそれが数値に反映したのかもしれません。ともかくもう一度検査をして、そのことを確かめておかないと、大変なことになってしまいます。
健康診断を受診した病院じゃなきゃだめ?
そういうことはありません。むしろいま流行のセカンドオピニオンということで、別の病院かクリニックにするのもいいでしょう。
もちろん、健康診断を受診した病院でもかまいませんが、気になるところを精密に検査するということであれば、健康診断を専門的に受け付けている病院かクリニックがいいですね。そのとき、診断結果を持参することを忘れないでください。健康診断を受診したのと同じ病院の場合でもそれは同じです。大学病院とクリニック、どちらがいいかというと、検査の種類にもよります、というのがベストな答えです。大学病院は設備の点では申し分ないのですが、どこへ行けばいいのか迷ったり受診者が多いために待たされたり、場合によってはせっかく行ったのに予約しただけで帰らなくてはならないということもあります。
また再検査は健康診断と同じ状態、つまり前日から食事摂取を制限した状態で行わなくてはならないので、自宅から遠い場所よりは近い病院かクリニックにするのがいいですね。
何科へ行く?
健康診断を専門に行っているクリニックなら問題ありませんし、大学病院のような大きな病院には検診を専門に行う科がありますから、まずは電話で問い合わせて、予約しておくようにしてください。
いつまでに行けばいい?
なるべく早めに行くというのがその答えです。というのも、もしも重大な病気にかかっていてそれが健康診断の結果に出たのであれば、できるだけ早く治療を受けなくてはなりません。そのためにも、再検査してもらう病院かクリニックを早めに予約しておくことが大切です。しかし、あまり心配するのはよくありません。たとえ肝炎でも今は治療薬がそろってきていますし、現代では臓器の異常よりはむしろ「心の病」が多くなっていますので、要再検査の通知が来たからといってそれを気にしすぎたら、心の病にかかってしまうかもしれませんし、それに、精神状態が微妙に再検査の数値にも影響を与えてしまうかもしれません。
ここは冷静に、健康診断の数値で異常と指摘された個所を検討してみて、病気の可能性のある臓器の治療を得意としている病院かクリニックで再検査を受けるのも正しい選択肢です。
行かないとどうなる?
健康診断で出たある数値が異常だったとしても、それがそのまま何かの病気にかかっているということではありません。血液や尿に含まれる化学物質は時と場合によって変化するものですから、再検査はあくまでも別の機会に測定してみることだと割り切って受診してください。しかし、自分は大丈夫だから、などと変な安心をしてはいけません。あなたの健康はあなた一人のものではありませんから、再検査は必ず受診して、その結果を会社に報告してください。
とくに胸部レントゲン撮影で要精密検査になった人は、もしも肺結核だったとしたら他人に感染させる危険がありますので、必ず再検査を受ける必要があります。健康診断のときは間接撮影ですので、本当に結核かどうかを直接撮影によって精密に画像診断しなくてはなりません。
労働安全衛生法って?
労働基準法というのは有名ですからご存じでしょうが、それ以外に労働関係の法律に労働安全衛生法というのがあります。
この法律によって年に1度社員に健康診断を受けさせるのが企業の義務になっています。社員個人の健康状態ばかりではなく、感染の危険のある肺結核にかかっていないかどうかなど、検査することが義務づけられているのです。企業にとっては義務なので、その費用はすべて企業が負担します。社員に費用の負担はありませんが、やはり健康診断を受けるのが義務であると理解してください。再検査については、企業の義務ではありませんので、費用はあなたが負担することになりますが、自分のことですから少々お金がかかっても必要ならば再検査を受けて、健康を回復する努力の一環にしてみてください。
生活習慣を見直そう!
尿検査や血液検査で、尿酸値や血糖値や中性脂肪値に異常が出た場合、甘いものやコレステロールの高いものの取り過ぎがその原因で、肝臓や腎臓といった内臓の病気ではないことのほうがふつうです。
1回だけの再検査ではなく、しばらく通院して血液検査を何度か繰り返すことで、生活習慣と血液中の中性脂肪値の関係を精査して改善するという治療もあります。食べ物のことばかりではなく、適度な運動をすることでこれらの数値が改善することは明らかです。健康診断の結果は毎年送られてくるので、数年単位で比較してみるといいでしょう。
まとめ
健康診断で要再検査が出たからといって病気だ!と心配するよりは、まずは再検査を受けたうえで、生活習慣の改善をはかってください。食べ物に気をつけるだけではなく、タバコ吸ったりアルコールを飲んだりしないこと、適度な運動をすること、夜更かしなどしないことなど、あなたの1日の生活を振り返ってみると、いろいろ改善できることがありますね。病気ならば、症状が出ないうちに健康診断で早期診断ができたのだから、もっともよい治療法を医師と相談してください。