インフルエンザ出勤停止の規定は?厚生労働省の指針Q&Aを紹介

風邪を引いて体調が悪いので欠勤するということもありますが、それはあくまでも欠勤です。しかし、インフルエンザにかかったときには、他の人たちに感染させる恐れがありますので、外出はひかえなくてはなりませんし、会社にも出勤してはいけません。

それに、インフルエンザにかかると高熱を出しますから、とても仕事ができる状態ではありません。インフルエンザにかかったら仕事を休むほかないのですが、ふつうに風邪を引いたのは違って他人に感染させる危険があるため、出勤停止ということになるかもしれません。

その場合には給料その他のことがどうなるのか心配です。労働者の労働条件などについて基準を定めている厚生労働省は、このことについてどういう見解をもっているのでしょうか。厚生労働省のQ&Aをもとに考えてみることにします。

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インフルエンザで出勤停止の期間

インフルエンザで出勤停止となった場合、どのくらいの期間になるかというと、熱が下がってもまだ感染力があると考えられるので、熱が下がったあと2日間は外出を自粛するというのが原則です。

学校保健安全法ではほぼそのように規定されていますが、会社員に対してはそのような法的な規定はなく、それに準じるのが厚生労働省の見解です。インフルエンザの症状が出てから5日間、熱が下がってから2日間、合計7日間が会社員の出勤停止期間の目安となります。

仕事を休ませるべき?

児童や学童や生徒は、幼稚園や学校を休まなくてはならないということが法律で定められています。それに対して労働者がインフルエンザになった場合は、法律による規制がありません。

ウィルスに感染してから1~3日間の潜伏期間のあと、いきなり高熱が出て一気に体力を消耗するインフルエンザにかかったら、とても仕事ができる状態ではありませんから、欠勤するしかありません。また、ウィルスが飛沫感染や接触感染によって他の人にも感染する危険がありますから、インフルエンザの患者が出勤することは避けるべきです。

ただし、インフルエンザで休んだ場合は、給与や休業手当と関係してくるので注意が必要です。一般的には給与や休業手当などを支払う義務は会社にはありませんが、会社が強制的に出勤停止を命じた場合は支払わなくてはなりません。

家族がインフルエンザにかかった社員の場合は、一般的には休ませることはできません。ただし、本人がウィルスに感染していないかどうか、確認する必要があります。また感染している可能性を考慮して、マスクをさせたりうがいや手洗いをきちんとさせたり、他の社員に感染させないよう配慮することが大切です。

休ませるときの注意点

会社が社員に出勤停止を命じた場合は、給与や休業手当などの問題が発生します。

厚生労働省は、このことについて労使で十分に話し合うようにと指導しています。一般的には、労働基準法第26条に定められた休業手当を支払う必要はありませんが、インフルエンザの症状が改善されて外出自粛期間が過ぎても休業させる場合は、「使用者の責に帰すべき事由による休業」に当たるとされるので、休業手当を支払わなくてはなりません。

インフルエンザにかかって休む場合も、病気休暇制度があればそれに従って仕事を休めばいいので、インフルエンザだからといって特別の措置を講じなくてはならないということありません。それが厚生労働省の基本的な見解です。

家族がインフルエンザにかかっている場合は、本人が発症していなくても「濃厚接触者」とされてなるべく外出しないようにと指導されています。その地域で大規模感染が確認されると保健所などの指示が出ますが、それによって社員に出勤停止を命じた場合、会社には休業手当を支払う義務はありません。それに対して、会社が自主的に判断して休ませる場合には、休業手当を支払う義務が発生します。

厚生労働省の基準は、会社が自主的に判断して休ませる場合には休業手当の支給をしなくてはならないが、そうでない場合には支給しなくてもよいということにまとめることができます。

職場で取り組むべき対策

インフルエンザは法律的には伝染病ではなく感染症ですから、患者を隔離するというような措置を講じる必要はありません。しかし、インフルエンザの感染が拡大すると、学校閉鎖になることもあり、会社でも同じ事態に陥ってしまう可能性があります。

学校と違って会社の場合、こんなことになってしまったら会社自体の存続に関わりますから、インフルエンザの流行はなんとしてでも阻止しなくてはなりません。

厚生労働省では、職場での感染防止策について、インフルエンザが流行する前にインフルエンザの対策について普及・啓発を行うようにと指導しています。インフルエンザが流行してもそれに感染しないようにするにはどうすればいいのか、またインフルエンザに感染したらどうすればいいのかなどについて、日頃から職場で考えておくことが大切です。

また、厚生労働省は、欠勤した社員やその家族の健康状態について会社に連絡するようにと指導しています。社員にとって安心して働ける環境作りの一環として、インフルエンザの問題もあると考えていいでしょう。

社員の子どもが通う保育園が休業になった場合どうするか、厚生労働省は会社に対して配慮するように指導しています。ただし配慮ということですので、どうすべきについては労使で話し合うことが求められています。

まとめ

厚生労働省はQ&Aで、インフルエンザで休業する場合についていろいろな指針を出しています。この指針に従って、労使間で適切な措置が講じられるよう、インフルエンザが流行する前に妥協点を見つけておくことが大切です。また、インフルエンザに感染しないためにはどうすればいいのかなどについても、日頃から考えておく必要があります。

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