東京と大阪の違い|文化とお笑いだけでなく名所の違いもご紹介

「大阪都構想」は実現しませんでしたが、これは、日本の首都である東京に対抗する大阪の意地かもしれません。江戸幕府が開かれる前に豊臣秀吉が大坂城(おおざかじょう)を築き、事実上大阪が日本の首都の役割を果たしたこともありました。江戸時代には天下の台所と呼ばれ、天皇のいる京の都とともに上方(かみがた)と呼ばれ、元禄文化の中心でもありました。

一方東京は、太田道灌が江戸城を築いた頃はまだ都から遠い場所でした。徳川家康がここを領地として与えられ、江戸城を大改修して、関ヶ原の戦いに勝利したあと江戸に幕府を開いた頃は、文化的にも経済的にもまだ大阪に追いついていませんでした。江戸時代中期以降になって江戸は大発展を遂げ、明治時代には江戸が東京となり、名実ともに日本の首都になりました。

それに対して大阪は、日本の首都になったことは一度もありませんが、近くに平城京だった奈良や平安京だった京都があり、これらの都市を含めた関西の中心としてのプライドは持っています。それでは、いくつかポイントをあげて東京と大阪の違いについて考えてみましょう。

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東京と大阪の文化の違い

今やグローバル化の時代ですから、東京の文化と大阪の文化で共通するものもたくさんあります。その一方で文化は、ある地域でそこに住む人たちによって作り上げられてきたという面があります。その地域の歴史が文化であると言うこともできるでしょう。東京と大阪で、それぞれに独特の文化が受け継がれてきたことは確かです。

具体的には、言葉が違います。「七」を東京では「シチ」と読みますが、大阪では「ヒチ」です。また「橋」のように東京でも大阪でも「ハシ」と読む言葉は、アクセントが違っていますから、耳で聞くと別の言葉になってしまいます。全国展開しているハンバーガーチェーンの「マクドナルド」は、東京では「マック」と略しますが大阪では「マクド」です。

特徴的なのは「バカ」と「アホ」で、どちらも知能が低い人を中傷して言う言葉ですが、東京では「バカ」より「アホ」のほうが非難の気持ちが強いのに、大阪では逆で、「アホ」は少し親しみをこめて使うことがあります。かなり以前にヒットした野球漫画の主人公は、賞賛の意味をこめて「ドアホ」と呼ばれていました。

色彩感覚を例としてあげるとすると、基本的には東京はシックで、大阪は派手なのですが、タクシーの色は逆になっています。東京ではタクシーは普通の乗用車と区別するために派手な色になっていますが、大阪では黒い車が多く、高級感を出しています。ポリタンクの色も、東京では火災の危険を示す赤ですが、大阪では安全であってほしいという気持ちをこめて青です。

エスカレーターでは、急いでいる人のために片側をあけますが、東京は左側に立って右側をあけます。それに対して大阪は逆に、右側に立って左側をあけます。こういう細かいところにも、東京と大阪の文化の違いが現れています。

東京と大阪の食べ物の違い

東京の「履き倒れ」に対して京都は「着倒れ」、そして大阪は「食い倒れ」。食道楽の街である大阪を代表する食べ物といえば、お好み焼きにたこ焼きです。東京でもお好み焼きとたこ焼きを食べることはできますが、東京ではどちらかというと広島風のお好み焼きです。それに、東京にはもんじゃ焼きがあります。

また、今や大阪でも人気のあるたこ焼きの銀だこは、東京の築地が発祥の地。食い倒れの街大阪も、たこ焼きでは一本取られてしまったかもしれません。表面をパリパリに焼き上げる銀だこに対して、大阪のたこ焼きはソフトです。明石焼きにいたってはとろとろになったものを出汁につけて食べます。

東京では、どこのコンビニにもある肉まんですが、大阪では豚まんと呼んでいます。大きさも、東京の肉まんより大阪の豚まんのほうが大きくてボリュームがあります。おでんも、東京ではおでん屋さんのほかどこのコンビニにもありますが、大阪では関東煮と言います。関東煮の読み方は「かんとだき」で、ここにも大阪弁が生きています。

焼き肉は東京にも大阪にもありますが、臓物に味付けした大阪のホルモン焼きは、「捨てる」の大阪弁である「放る」からきたもので、「ほるもん」というのは「捨てるもの」という意味です。東京にもうどん屋さんはありますが、どちらかというとそば屋さんにうどんもあるということで、有名なそば屋さんもたくさんあります。大阪にもそば屋さんはありますが、主力はなんといってもうどん屋さんで、甘く煮た油揚げをのせた「きつうどん」は最高です。大阪では「うどん」を「うろん」と言うこともあります。

海藻からつくった「ところてん」は東京にも大阪にもありますが、東京では酢醤油をかけて食べるのに対して、大阪では甘い黒蜜をかけて食べます。

東京と大阪の笑いの違い

テレビを見ていても、大阪出身のお笑い芸人がたくさん出演しています。大阪はお笑いの本場で、吉本新喜劇はその殿堂ですが、現在は東京にも進出しています。吉本新喜劇は京都や大阪市内に花月劇場をもっていますが、ここでは漫才や落語や漫談のほか、劇場の名前のとおり喜劇も上演されています。

落語は江戸時代から続いているお笑いの定番ですが、東京では寄席と呼ばれている落語専門の劇場があります。東京の漫才に対して、大阪では上方漫才と呼ばれていて、観客に対する笑いの取り方が少し違っています。東京の漫才がどちらかというと知的に社会批判をして観客の笑いを取るのに対して、上方漫才はボケとツッコミのコンビが「アホなこと」で笑いを取ります。

東京と大阪の名物の違い

「名物にうまいものなし」などと言われることもありますが、東京には世界中からいろいろなものが集まってきます。そのため逆に、「東京の名物は何か」と尋ねられると、少し困ってしまうことがあります。東京土産としてトップクラスの「ひよ子」は、実は福岡の名物でした。「東京ばな奈」もそれほど昔からある名物ではありません。

大阪名物に「岩おこし」がありますが、それと似たものとして東京には浅草の「雷おこし」があります。「岩おこし」が1枚の大きなものであるのに対して、「雷おこし」は一口サイズのものです。

羊羹について言えば、東京では虎屋の羊羹が有名ですが、大阪では駿河屋の羊羹です。小豆を使って丸く焼いたものは、東京では「今川焼き」と言いますが、大阪ではその形をもとにした「回転焼き」です。今川氏は戦国時代に駿河国を支配していた大名でしたから、「今川焼き」と羊羹の駿河屋という対比はおもしろいですね。

東京と大阪の名所の違い

名所はいろいろありますが、東京の玄関口である東京駅は、日本の鉄道発祥の地として東京の名所になっています。大阪駅も最近大改造されて名所になりましたが、古いスタイルを再現した東京駅と最新のデザインの大阪駅の対比も興味深いですね。

大阪には再建された大阪城があり、その周辺は公園になっています。それに対して東京は、江戸城が取り壊されたまま再建されず、皇居になっていますから一般人が入れない場所がかなりあります。

食い倒れの街大阪には道頓堀がありますが、それに対して東京の銀座はオシャレです。東京ディズニーランドに対して、大阪にはUSJジャパンがあります。また、江戸時代の面影を残す東京の浅草に対して、大阪には心斎橋があり、東京より一回り小さい大阪ですが、いろいろ比較できる名所がそろっています。

まとめ

東京と大阪は、言葉も文化もいろいろ違っていますが、それぞれに自慢できるものがあり、比較してみると興味がわいてきます。

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