インフルエンザは風邪とは違います。インフルエンザのウィルスが体内に侵入して高熱を発したり風邪と似た症状を発症するのです。特定のウィルスがインフルエンザの原因ですから、そのウィルスの増殖を抑えるワクチンをあらかじめ接種しておくことで、インフルエンザにかからなくてすんだり、かかっても軽い症状ですんだりすることがあります。
ただしワクチンというのはそもそも無毒化されたウィルスで、それを体内に接種することで抗体をつくっておこうとするものですから、たとえ無毒化されたとはいえウィルスなので注意が必要です。
インフルエンザ予防接種の間隔は?
13歳未満の幼児や子供の場合、インフルエンザのワクチンは2回に分けて接種することになっています。その間隔についてですが、間隔が長くなると1回目の予防接種でできた抗体がなくなってしまってから2回目の予防接種というこになり、十分な抗体ができないで終わってしまいます。逆に短い場合も、抗体ができつつあるときに次のワクチンが接種されるのでよくありません。
だいたい2週間から4週間の間隔をあけるのがよいとされています。より効果を高めるためには3週間から4週間にしてください。ただし、4週間を越えることがないようにしないといけません。
2回も予防接種する理由
ワクチンは体内に抗体をつくるために接種するものなので、1回だけの接種ではなく2回接種することでより高い効果が期待できます。ワクチンを接種すると2週間で抗体ができてきますから、そのあとでもう1度ワクチンを接種することによって抗体の上昇が確実になります。そのために2週間から4週間の間隔をおいて2回目の予防接種を行うのです。
いつまで接種すればいい?
インフルエンザの流行は12月から3月ですから、その時期の前に予防接種を受けておく必要があります。ワクチンを接種してから体内に抗体ができるのは2週間ほど経過してからですから、流行前に予防接種をしておく必要があります。
ただしあまり早く予防接種をしてしまうと、せっかく抗体ができてもその抗体の力が衰えていきますから、1回目の予防接種は10月中にしておいて、2回目の予防接種はそれから少なくても2週間は間隔を開けて、11月から12月にかけてやっておくというのが2回接種のパターンです。
インフルエンザの予防接種は何歳から受けていい
予防接種は生後6ヶ月の赤ちゃんから受けてよいことになっています。ただし、1歳未満の幼児に予防接種をしてもどの程度の効果があるのかについてはよくわからない点があります。
というのも、1歳未満の幼児は抵抗力が弱く、予防接種でワクチンを体内に入れても抗体ができにくいので、集団生活をしていれば予防接種してもその効果は期待できません。1歳以上の幼児から予防接種をするといいでしょう。
卵アレルギーやアナフィラキシー症候群の人はインフルエンザの予防接種を受けてはいけませんので、そういう幼児は絶対に予防接種を受けさせないでください。
気になる予防接種の効果
予防接種の効果はほぼ2週間を過ぎた頃から出始めます。要するにワクチンを接種したので体内に抗体ができてくるのがその頃だということです。しかしその抗体も3ヶ月から5ヶ月後くらいまでしか生きていませんから、それ以後は効果がなくなってしまいます。3歳以下だとこの効果が薄いです。
予防接種の料金はいくらぐらい?
予防接種の料金ですが、大人も子供も1回がだいたい3,000円から4,000です。大人は予防接種が1回でいいのですが、子供は2回することになるので、合計6,000円から8,000円かかることになります。
予防接種の料金は病院によって違っていますが、それはワクチンを確保している量の違いによります。また、病院によって利益の載せ方が違っていますし、消費税を入れるかどうかも病院の経営方針によります。
健康保険による診療報酬は点数制度で料金がきちんと決められているのですが、インフルエンザの予防接種はそれとは別ですので、かなりの程度病院側の裁量に委ねられているのです。
インフルエンザの予防接種は健康保険の適用外ですが、高齢者には一律1,000円の補助を出す自治体もあります。自治体の補助を活用してみてください。ただしその補助は自治体によって異なっていますので、調べてみる必要があります。
世田谷区の例をみますと、1歳から15歳の子供には一律1,000円の補助があります。ただし予防接種を受ける期間が10月1日から1月末日までとなっていますので注意してください。
予防接種以外の予防法も忘れずに
予防接種を受けなくてもインフルエンザにかからないこともありますし、逆に予防接種を受けても抗体が十分にできなかったり、ウィルスに型があるために接種したワクチンがその型のウィルスに効果がなかったりして、インフルエンザにかかってしまうことがあります。
予防接種とは別に、インフルエンザを予防するための措置を簡単にまとめておくことにします。手洗いとうがいをこまめにすることで、かりに手や口の中にウィルスがいたとしても、それを洗い流して体内に侵入させないですみます。
栄養と睡眠を十分にとり、たとえウィルスが体内に侵入してもそれを打ち負かすだけの体力を養っておくことが大切です。ウィルスや細菌に対してわれわれの体には抵抗力がもともと備わっているのですから出かけるときも人ごみを避けるようにしてください。
インフルエンザのウィルスは人から人へと感染しますので、たくさんの人がいればそれだけウィルスが存在している確率が高くなります。
インフルエンザのウィルスは乾燥を好み湿度を嫌うので、暖房をつけている室内を乾燥させないように注意してください。
まとめ
インフルエンザの予防接種を多くの人が受けるようになって、あるときにはワクチンが不足してしまったことがありました。ウィルスには型があり、しかも新型のウィルスが誕生することもあります。
ワクチンはある型のウィルスを想定して製造したものなので、その年に流行しているウィルスには効かないこともあります。予防接種に頼りすぎないで、手洗いとうがいをしたりして、栄養と睡眠を十分にとったりして、お子さんをインフルエンザから守ってあげてください。