健康診断の再検査で注意するのは肝機能だよ!カンジンな肝臓が大事!

健康診断の再検査でとくに注意するの肝機能です
カンジンという言葉を聞いたことがありますね。非常に大事なことをカンジンというのですが、漢字で書くと肝心または肝腎となります。肝心は肝臓と心臓、肝腎は肝臓と腎臓のことで、体内の臓器のうちでもとくに大事なものをカンジンというのです。2通りの書き方がありますが、どちらにも肝臓は入っていますから、肝臓が大事な臓器であることに間違いはありません。ではこの肝臓はいったいどんな働きをしているのでしょうか。心臓と違ってほとんど何の動きもしない肝臓は、静かな臓器とも呼ばれていて、異常があっても自覚症状が出にくいのです。黄疸が出たときにはもう手遅れということにもなりねませんから、健康診断の結果には注意してください。

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肝機能って?

心臓は血液を循環させるポンプのような働きをしていますし、腎臓は血液を浄化して有害物質などを尿として排出する働きをしています。ではカンジンの肝臓はどんな働きをしているのでしょうか。

肝臓は一言で言えば化学工場のような働きをしている臓器です。コレステロール(身体に有害なものと身体に必要なものがあります)をつくったり、血液を凝固させる物質をつくったり、アミノ酸からタンパク質を合成したり、糖をグリコーゲンとして一時的に蓄えたり、脂肪の消化吸収を助ける胆汁をつくったり……というようにいろいろ働きがあるので、健康診断の血液検査によってそれらの機能が正常に働いているか診断するのです。

では、検査項目ごとにその働きと標準値を述べることにします。

AST(GOT)とALT(GPT)は肝臓を構成している肝細胞に含まれる酵素です。これらの酵素は肝細胞が破壊されたときに血液中に排出されますので、その数値が高いということは肝細胞がなんらかの理由で破壊されていることを示します。標準的な数値としては、AST(GOT)は35U/L以下、ALT(GPT)は35U/L以下です。

γ-GTPは、肝臓でつくられた胆汁が肝臓から十二指腸まで通る胆管にある酵素です。アルコールや薬を飲み過ぎたり太りすぎたりすると、この酵素がつくられすぎて血液中に排出されて数値が上がります。γ-GTPの標準的な数値は55U/L以下です。

ALPは肝臓や胆管に多く含まれている酵素です。肝臓でつくられた胆汁が胆管を通って十二指腸に流れる途中で、胆汁をためておく胆のうが炎症を起こしていると、胆汁に含まれているALPが血液中に排出されて数値が高くなります。ALPの標準値は340U/L未満です。

LDHは糖質をエネルギーに変える働きをする酵素で、肝臓のほかいろいろな場所でつくられます。肝細胞が破壊されるとLDHが血液中に排出されて数値が高くなりますが、どの臓器が悪いのかは、再検査しないとわかりません。LDHの標準値は230U/L未満です。

ビルブリンは、赤血球のヘモグロビンが変化して黄色くなったものです。ビルブリンになるともう役に立ちませんから肝臓に運ばれて胆汁のなかに排出されます。この胆汁の流れが妨げられたときにビルブリンの数値が高くなります。総ビルブリンの標準値は1.1mg/dl以下です。

コリンエステラーゼは、肝細胞でつくられる酵素ですから肝臓の働きが悪くなると数値が下がります。逆に栄養をとりすぎて脂肪肝になると産出量が増えるので、数値が上がります。男性では234~493 IU/L、女性では200~452 IU/Lが標準的な数値の範囲です。

たんぱく質は肝臓で合成されていますが、何らかの原因で肝機能が低下したときに血液中の総たんぱくの数値が下がります。数値が高すぎるのもよくありませんが、低いのも肝機能の低下を示しているのでよくありません。総たんぱくは6.5~8.0g/dlが標準的な数値です。

ほっとくとどうなる?

AST(GOT)とALT(GPT)の値が異常に大きい場合は、急性または慢性肝炎、アルコール性肝炎の疑いがあります。そのままにしておくと脂肪肝になり、肝硬変を起こしたり心筋梗塞になったりすることがあります。γ-GTPの数値が高い場合は、アルコール性肝障害や薬剤性肝障害、あるいは胆道炎の疑いがあり、そのままにしておくと総胆管結石になる危険があります。

ALPの数値が高い場合は、急性または慢性肝炎の赤信号で、総胆管結石や胆管炎、さらには骨肉腫や甲状腺機能亢進症(バセドウ病)の危険があります。総ビリルビンの数値が高い場合は、急性または慢性肝炎のサインで、そのままにしておくと肝硬変の危険があります。また、肝臓ではなく心臓が原因の場合は心筋梗塞の危険があります。ヘモグロビンは赤血球の赤色のもとになっていますが、それが死んでできたビリルビンは黄色なので、身体が黄色に変色する黄疸になることがあります。

コリンエステラーゼの値が低い場合は肝硬変、高い場合は脂肪肝の危険があります。総たんぱくの値が低い場合は慢性肝炎や肝硬変、あるいは腎臓病の危険があります。高い場合は脱水症や膠原病、あるいは何かの感染症の危険があります。

再検査の費用

肝機能の再検査は、血液検査だけではなく疑われる疾患の検査も含まれます。ですから、費用もどんな検査を受けるかによって変わります。血液検査と腹部超音波検査の場合は2,000~3,000円程度ですみます。腹部CTになると10,000円くらいはかかります。MRIの場合は5,000~10,000円というのが目安です。

肝臓が悪くなる原因

肝機能の低下を示す数値が出たということは、ふだんから肝臓に余計な負担をかけていることが主な原因である可能性が高いです。それはすなわち、飲酒と食事です。アルコールは肝臓で分解されるので、アルコールを飲み過ぎると肝臓に負担がかかります。食事については、脂肪のとりすぎが問題です。そのほか、B型肝炎やC型肝炎などウィルス感染によるものがあります。これらのウィルスに対しては、最近特効薬が開発されたそうです。

対策

休肝日という言葉がありますが、アルコールやコレステロールなどをなるべくとらないようにして、肝臓を休ませてあげるよう注意してください。ただ、このような注意だけではダメなこともあるので、再検査を受けてたあと医師とよく相談をして今後の治療を続けてください。

健診判定

健康診断の結果は、細かい項目について測定された数値のほかに、全体としてどうかということがABCDEで示されます。

Aならば今のところ異常がないということです。
Bの場合は、基準値ではない項目があるものの、日常生活には問題がない状態です。
Cの場合は、軽い異常ということですが、日常生活に気をつけていれば大丈夫です。
Dという判定だと、それほどひどい異常ではありませんが、少し間隔をおいて再検査する必要があります。治療を受けるべきかどうかについては、医師と相談してください。
Eが出たら大変です。現時点で専門医の診察と治療を受ける必要があります。

市区町村で受けた健康診断の場合は、1~5の数字で示されることがあります。小学校などの成績では5がいちばんいいのですが、この場合は逆です。
1は「正常」で、上の判定のAと同じです。
2は「要注意」で、上の判定のBと同じです。
3は「要観察」で、経過観察が必要ですから後日再検査を受けてください。
4は「治療中」で、主治医の指示に従って治療を続けてください。
5は「要精検」つまり精密検査を受ける必要があるということです。

要検査と要精密検査の違い

健康診断で測定された数値は、もしかしたらたまたまそのときだけのものかもしれないので、たとえその数値が異常であったとしても、別の機会に測定したら正常値に戻っているかもしれません。そのために再検査を受けてみて、健康診断のときの異常値が一時的なものかどうかを判断するのです。それが要再検査です。要精密検査は市区町村の健康診断結果の5、つまり判定としてはいちばん悪い段階のものです。治療が必要かどうかを判断するために、健康診断よりは詳しい精密検査を受けるということで、要再検査の場合とは違って、すぐに精密検査を受ける必要があります。

まとめ

肝機能を示す数値はいろいろあって、それがいったい何であるのか、少しわかりましたか。肝臓はたとえ悪くなっていたとしても、なかなか自覚症状が出ない臓器ですから、健康診断の結果として通知された細かい数値に注意して、少し異常が出た場合は生活習慣や食生活などを改善するよう心がけてください。

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