重傷と重症の違いは?読み方は同じジュウショウなんですけど・・・

重傷も重症も、読み方は同じジュウショウです。日本語にはこのように、同音異義語がたくさんあります。こんなことを言うと、重傷と重症は意味が違うのですか、と驚かれてしまうかもしれません。漢字が違っても意味は同じ、ということもありますが、漢字は表意文字ですから、字が違えば意味が違うというのがふつうです。では、この重傷と重症は、いったいどう違うのでしょうか。

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重傷

重傷に用いられている傷という漢字は、訓読みではキズですね。このように、漢字の読み方には、もとの中国語の読み方からきている音読みと、日本語にその意味の漢字をあてた訓読みの2種類があります。重傷とはつまり、重いキズのことです。キズですから、ケガをしてできたものです。ということは、重傷とは、ひどいケガのこと、と理解することができます。では、どの程度ひどいのでしょうか。それは、あとで述べることにします。

重症

重症に用いられている症という漢字には、訓読みがありませんから、症状というような別の言葉から、症の意味を考えてみることにしまょう。症状は、病気の場合にもケガの場合にも使うことができます。病気やケガが、具体的にどういう形で表れているかを示す言葉が、症状ということになります。ですから重症は、重い症状であることを指しています。その原因が病気でもケガでも、症状が重ければ重症ということになります。病気の場合でも事故でケガをした場合でも、救急車で搬送される人に対しては、公式には重症を用いています。

違い

重傷と重症の、基本的な違いは、重症のうち、ケガが原因である場合に重傷を用いる、と考えれば簡単です。しかし、実際はそう単純な区別ではなく、むしろ、言葉の使い方の違いを考えた方がいいかもしれません。例えば、転んでケガをしたとか、自転車とぶつかったとか、バットで殴られたとか、その可能性は低いですが、拳銃で撃たれたとか、そういう場合は、重傷を負うです。たとえ症状が重くても、重症を負うとは言いません。また、病気の場合でもケガの場合でも、症状が悪化することがあります。その場合は、重症になると言います。軽いケガで入院して治療を受けたけれども、そのケガが悪化した場合、重症になるとは言いますが、重傷になるとは言いません。

症状の程度

では、症状の程度を表す言葉をいくつかあげて、それらがどの程度のものであるか、あるいはまた、公式にはどの程度のものとして用いられているかについて、述べていくことにしましょう。まずは軽傷ですが、これは軽いケガです。軽いケガなので、入院や病院での治療を必要としない程度のケガを表します。病院での治療を専門用語では加療といいますが、ケガをして病院に行き、消毒薬を塗ってもらったり湿布薬を貼ってもらったりする程度なら、軽傷ということになります。重傷は、それに対して、入院や加療が必要な症状のケガです。どの程度の入院加療かというと、全治30日以上です。警察では、全治30日以上のケガや傷のことを、重傷としていますので、ニュースで重傷者○人と報道されたら、全治30日以上のケガをした人が○人いる、ということになります。なお、重傷の場合は、全治が前提となっていますので、生命の危険はありません。

次に、生命の危険がある場合には、どういう言葉を用いるのでしょうか。それは重体です。重体とは、脳や内臓に大きな傷害があり、生命が失われる危険がある状態のことです。この状態になった人は、その原因が病気でもケガでも、重体と表します。この重体似た言葉に重篤というのがあります。これは、死に瀕していること、つまり、その人が死にそうなくらい具合が悪いことを表します。その原因が病気でもケガでも、この言葉を使うことができます。では、重体と重篤の違いは何でしょうか。重体より重篤のほうがより死に近い状態を表していますが、それとは別に、言葉のうえで、重体の患者とは言えますが、重体の症状とは言えません。それに対して、重篤の患者とも言えるし、重篤な症状とも言えます。最後に危篤ですが、この状態になると、重篤よりさらに死の危険が迫っている状態です。医師に危篤と診断されたら、死を覚悟しておかなくてはなりません。

死亡とは、死んだことということですが、では、どういう状態になったら死んだとされるのでしょうか。脳死も人の死として認められていますが、一般的には、呼吸停止・心肺停止・瞳孔散大の3つの症状をもって人の死とする、と定められています。人の死を認定するのは医師の仕事です。

まとめ

ケガをしたとき、軽傷・重傷・重体・重篤・危篤。死亡まで、その症状に応じて、さまざまな段階があります。ニュースなどで、これらの言葉を聞いたとき、それがどういう状態を示しているのか、その違いがよくわかったことと思います。

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