血圧を下げる食べ物は？健康を保つには食事に気をつけるのが大原則です。食生活こそが健康生活の基本であるということは誰でも知っていることなのですが、なかなかその基本を守れません。
それに、どんな食べ物が良いのかどんな食べ物が悪いのか、それを正確に知るのも大変です。ここでは血圧を下げるのに効果のある食べ物について考えてみることにします。
血圧を下げる食べ物
血圧を下げる食べ物について考える前に、血圧を上げる食べ物がどんなものかについて宣べます。血圧を上げるのは塩分と脂肪分と炭水化物ですから、これが過剰に含まれている食べ物が悪いということになります。
もちろん塩分も脂肪分も炭水化物も必要な栄養素ではあるのですが、摂りすぎると体に悪いということです。料理でいうと具体的にはラーメン、チャーハン、カレーライス、ピザ、カツ丼がその代表です。
つい食べたくなる料理が並んでしまいましたが、もちろん食べてはいけないということではありません。なるべく控えて血圧を下げる食べ物をできるだけ多く食事に採り入れることが大切です。肉はタンパク質を摂るために大事な食品ですが、血圧を下げるには鶏のササミやヒレ肉など脂肪分の少ないものがいいでしょう。
魚もタンパク質を摂るために欠かせませんが、血圧を下げるにはDHAやEPAが含まれる魚がいいでしょう。サバ、アジ、サンマ、マグロ、ブリ、ハマチのほか、カキ、ハマグリ、ホタテのような貝類もあります。その他、大豆やいも類や海藻類も血圧を下げる効果があります。野菜と果物は種類が多いので次のところで説明します。
お酢とオリーブオイルも血圧を下げる効果がありますので、酢の物にしたり、オリーブオイルをサラダに使ったりするといいでしょう。
カリウムを含む食べ物がいい理由
血圧を上げる原因の一つが塩分の摂り過ぎです。塩分とはすなわち塩化ナトリウムのことです。ナトリウムは体に必須のミネラルではあるのですが、いろいろなものに多く含まれているためについ摂り過ぎてしまいます。
ナトリウムと同じアルカリ金属に属するカリウムを摂ることで、摂り過ぎたナトリウムを体の外に排除してくれます。ですからカリウムを多く含む食べ物が血圧を下げてくれるのです。
カリウムを多く含む食べ物のトップはやはり海藻類でしょうか。海藻類は塩分の濃い海に生えている植物ですから、その分だけカリウムを多く含んでいるのです。いも類もカリウムや食物繊維が多く含まれており、血圧を下げるのに効果的です。
特にサツマイモはお勧めですが、いも類はデンプンも多く含まれているので食べ過ぎには注意してください。いも類を食べたときにはお米の量を減らしてください。
かぼちゃにもカリウムが多く含まれていますが、そのほかにβ-カロチンも含まれています。野菜類もしっかり食べてほしい食べ物ですが、とくにほうれん草はカリウムを多く含んでいますし、ビタミンCや鉄分も多いのでお勧めです。ただし、シュウ酸は体に悪いので、生で食べずに必ずほうれん草は熱湯でしばらくつけて、水洗いして食べてください。
料理の飾りつけに用いられるパセリですが、カリウムの含有量が驚くほど多いうえに、β-カロチンにカルシウムや鉄までが含まれていて、まさに栄養の宝庫ですから必ず食べるようにしてください。最近はスーパーなどでも見かけるようになったモロヘイヤですが、カリウムのほかにカルシウムや食物繊維も豊富で血圧を下げるには最適です。
アボガドはそのとろりとした舌ざわりが人気ですが、カリウムのほか、ビタミンEやオレイン酸なども含まれていて、血圧を下げる以外の効果も期待できます。皮をむくだけで手軽に食べられるバナナは、カリウムの含有量はパセリなどと比べて少なめですが、カルシウムや鉄や亜鉛なども含んでいます。
リンゴにもカリウムが多く含まれていますので、そのままかじって食べるだけではなく、すり下ろしてジュースにしてみると手軽に血圧を下げる効果が期待できます。
柿にはカリウムのほか、柿の渋にはタンニンが含まれていて、これが血管に作用して血圧を下げる効果があります。売られている柿はたいてい渋柿の渋を処理して食べられる甘さにしたもので、渋の成分そのものは残っていますので大丈夫です。
すいかにはカリウムが多く含まれていますから、血圧を下げる効果も期待できます。水分が多いのでとくに夏の熱中症予防にも効果があります。またリコピンはトマトより多く含まれています。動物性タンパク質を摂る場合、不飽和脂肪酸など害になるものまでいっしょに摂ってしまいます。
その点大豆には豊富な植物性タンパク質のほか、レシチンやサポニンなどが含まれていて、血管にこびりついたコレステロールなどを洗い流してくれますので、血圧を下げる効果があります。大豆そのものを食べるのも良いですが、豆腐や湯葉や納豆など大豆製品がいろいろありますので、料理にも使いやすいです。
血圧を下げる食べ物の食べ方
海藻類にはワカメ、昆布、海苔、ヒジキなどがありますが、料理にはワカメが使いやすいです。味噌汁やサラダ、それに酢の物にするとより効果的です。いも類も、サツマイモは焼き芋にしてそのまま食べることができます。
料理にはジャガイモが使いやすいでしょう。料理に使うときには、塩分をあまり多く使用しないのがコツです。せっかく血圧を下げようとしていも類を食べるのですから、塩分は逆効果になってしまいます。
果物は、あまり手を加えないでそのまま食べるのが良いですね。ただし果物には糖分が多く含まれているので食べ過ぎてはいけません。毎日同じものを食べると飽きてくることがありますので、ここに紹介した食べ物を適度に入れ替えたり組み合わせたりして、料理を楽しんでください。食べ物はやはり楽しむことが大切です。
まとめ
血圧が上がると、自覚症状はないのにいつの間にか重大な病気になってしまうことがあります。そのときにはもう手遅れですから、ふだんから血圧を下げるように注意することが大切です。まずはどんな食べ物が血圧を下げるのに効果があるのかについて知ったうえで、それらをうまく料理の材料に加えてみてください。