土地の路線価の計算方法|借地権割合など計算に大事なポイント

路線価とは、道路に面した土地1平方メートルあたりの土地の価格です。毎年7月1日に国税局・税務署が千円単位で公表しています。一本一本の道路に面した土地にぞれぞれ路線価が割り当てられていて、例えば「53C」というように記載されています。これはこの道路に面した土地1平方メートルの価格で、53は5万3千円ということです。では「C」というのは何でしょうか。これは借地権割合を示す記号ですが、あとで説明します。

道路に面した土地の価格が路線価ですが、道路ごとに路線価が決められているので、すぐ近くの土地でも別の道路に面していたら路線価が違うこともあります。

路線価は相続税や贈与税の計算に利用されるので、相続税路線価ともいいます。また、銀行の融資を受けるために土地を担保とする場合には路線価が用いられます。

路線価は、国土交通省の土地鑑定委員会が1月1日の時点で決定し、4月に公表している公示価格の8割と決められています。路線価が公表されるのは7月1日です。

スポンサーリンク
スポンサーリンク

路線価の計算方法

路線価は道路に面した土地1平方メートルあたりの土地の価格ですから、例えば「72B」と記載された土地を1000平方メートル相続したとすると、路線価でいくらの土地を相続したことになるでしょうか。

72,000×1000=72,000,000、つまり7千2百万円ということになります。計算上はそうなるのですが、土地には形があるとともに、周囲の環境や土地そのものの高低などさまざまな条件があり、それによって補正しなくてはなりません。この補正を画地調整といい、この計算式にさらに画地調整率を掛け算して土地の価格を決定します。

この画地調整率には、土地の奥行による奥行価格補正率、道路への接し方によって適用される側方路線影響加算率・二方路線影響加算率があります。これらの画地調整率はその土地が存在している地区ごとに決められています。

また、路線価にも、正面路線価・側方路線価・裏面路線価の3種類があり、これらを使い分けなくてはなりません。道路に面している土地1平方メートルあたりの価格を路線価と言いますが、土地が2本の道路に接している場合、それぞれの路線価に奥行価格補正率を掛けてみて、高い方の路線価を正面路線価、低い方の路線価を側方路線価といいます。

また、土地が3本の道路に面している場合は、それぞれの路線価に奥行価格補正率を掛け算してみて、高いものから順に正面路線価、側方路線価、裏面路線価となるわけです。

3本の道路に面している土地の価格の計算のやり方を考えてみます。まず、それぞれの道路に記載された路線価と奥行価格補正率を掛け算してみて、正面路線価と側面路線価と裏面路線価を出します。次に、以下のような計算をします。

正面路線価×奥行価格補正率=a
側方路線価×奥行価格補正率×側方路線影響加算率=b
裏面路線価×奥行価格補正率×二方路線影響加算率=c
なお、奥行価格補正率も側方路線影響加算率も二方路線影響加算率も、国税庁のホームページに出ています。

この計算式で出たaとbとcを合計したものが、土地の最終的な路線価ということになります。つまり、a+b+c=路線価となるのです。この計算式で出た路線価に、土地の面積を掛け算することで、相続する土地の価格が出るのです。この価格をもとにして、相続税が決定されます。

借地権割合とは?

次に、借地権割合について考えてみます。土地が面している道路に記載されている路線価に、AやBなどというアルファベットが付け加えられていますが、これが借地権割合を示す記号です。これも国税庁が決定し公表していますが、Aは90%、Bは80%、Cは70%、Dは60%、Eは50%、Fは40%、Gは30%の借地権割合を示しています。

では、借地権割合とは何なのでしょうか。土地にはふつう建物が建っています。借地権割合というのは、土地と建物の権利の割合を示す数値です。地域によって借地権割合は異なっていますが、例えば、市の中心部の繁華街では借地権割合が高くて、AやBという記号がつけられています。

土地を相続したり贈与されたりして取得したとき、借地権も財産ということになりますから、借地権割合によってその土地の借地権の財産評価をするのです。路線価によって計算された土地の評価額に借地権割合を掛け算することで、借地権の財産評価が出ます。

補正計算とは?

正面路線価、側方路線価、裏面路線価に、奥行価格補正率・側方路線英紀要加算率・二方路線影響加算率を掛けて路線価を算出しましたが、これらの補正率や加算率とはどういうものなのでしょうか。

路線価は実際にその土地が売買されるときの価格、つまり実勢価格ではありません。相続税や贈与税などを出すための基準になる土地の価格ですから、1平方メートル当たりでいくらと決められた路線価に、そのまま土地の面積を掛け算するよりも、土地の形状によって補正をして、少しでも土地の価格を低くできたほうが有利です。この補正を画地調整といいます。

土地の道路に面している部分が狭くて奥行が長い場合、その土地は利用しにくい土地になりますから、奥行価格補正率を掛け算することによって路線価は低くなります。また、土地が正方形や長方形でない場合には不整形地補正率、間口の狭い土地の場合には間口狭小補正率、間口が狭く奥行きが長い場合には奥行長大補正率、がけ地が含まれている場合にはがけ地補正率を掛けて評価額を減額します。

それに対して、角地は評価額が上がることになります。この場合は、「計算方法」のところで示した3種類の路線価に掛け算した2種類の加算率が適用されて評価額が上がります。

まとめ

土地の評価はなかなか素人ではできません。ただ、相続した土地がどのように評価されるのか、そのシステムを知っておくことは大切です。具体的な計算は専門家に相談をするのがいいでしょう。また、路線価は毎年変わりますので、相続が発生した時点の路線価で正確に計算する必要があります。

スポンサーリンク
スポンサーリンク
スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする