風邪を引いたらお風呂はダメ、というのは間違いです！昔は風邪を引いたらお風呂はダメというのが常識でした。しかしそれは銭湯が多かったからで、せっかく温まった体が銭湯から家に帰る途中で冷えてしまい、風邪を悪化させることになったからです。英語でも「風邪を引いた」を”I have a cold.”と表現しているように、体が冷えることで風邪を引くことがあります。
逆に風邪は体を温めることで治癒するのです。風呂に入ることで体を温めるとともに喉や鼻を適度に保湿する効果が期待できますから、風邪を引いたらお風呂に入ることで一石二鳥の効果があります。しかし、風邪を引いたときのお風呂の入り方がありますし、お風呂に入ってはダメという場合もありますから、注意しなくてはなりません。その場合はお風呂に入ることで風邪を悪化させてしまいます。
風邪でお風呂に入って悪化しない？
銭湯に歩いて行っていた時代には風邪を引いたらお風呂はダメだったのですが、それは、お風呂に入って適度に体を温めたあと冷たい外気の中を歩くことによって体を冷やしてしまい、風邪を悪化させることになったからです。体を温めるとともに保湿効果のある入浴は風邪を早く治すための近道です。ちょっと風邪を引いたかなと感じるときは、是非とも風呂に入ってください。
風邪を早く治す効果が期待できます。ただし、風邪の症状によっては風呂に入ってはいけない場合があり、また風邪を引いたときの風呂の入り方があります。
こんな人は入ったらだめ
風邪を引いたときに風呂に入ってはだめなときは、熱が高いときです。37度以下が平熱で、37度台だと微熱ということになりますが、微熱くらいまでならまだ風呂の効果を期待できます。しかし、体温が38度以上もあるときに風呂に入ってはいけません。体温が38度よりさらに上昇したら命の危険さえあるのです。悪寒があるときも風呂に入ったらだめです。嘔吐や下痢をしているときも、浴室で汚物を出してしまう恐れがありますから、風呂は控えてください。
お風呂に入ったほうがいい理由
風呂に入ったらだめな場合もありますが、基本的には風邪を引いたら風呂に入るのがいいというのは、どういう理由からでしょうか。風呂に入ると血行が良くなりますから、体内に侵入した細菌やウイルスを体外に排出する働きが活発になるし、その他いろいろな臓器の力も強くなります。風邪を引いたために何日も風呂に入らなかったら、体は汚れてくるし気分も滅入ってきますが、風呂に入って体を清潔にすることで抵抗力が高まり気分も良くなりますます。
風呂に入ってはいけないと言われていた昔は、風邪が治りかかったときに風呂に入って髪を洗い、これで風邪も治ったとさっぱりしたものです。風呂で体が濡れることで体の表面から蒸発する水分は体温を下げる働きをします。また、風呂に入ることで喉や鼻に対して保湿効果があることは言うまでもありません。
正しいお風呂の入り方
風邪を引いたときには体を温めるのが効果的だという理由で風呂に入るのですから、体を冷やしてはいけません。風邪を引いたら風呂はダメだと昔言っていたのは、風呂に入ってかえって体を冷やしてしまうからなのです。現代でも、脱衣所や風呂場を暖めておくよう心がけてください。脱衣所が暖房されていないと、下着まで脱いで裸になったとき身体が冷えてしまいますし、風呂場が暖かくないと湯船につかる前に体が冷えてしまいます。
風呂の湯加減はあまり熱くしないでぬるめにしてください。42度を超えるお湯の場合は血管などが収縮してしまうことがあります。ぬるめのお湯にじっくりつかるというのが良いのですが、長風呂をしすぎると体力が消耗してしまいますから、あまり長く入らないのがコツです。風邪を引いたらともかく水分補給が大切です。風呂に入ると汗をかいて水分を失っていますから、風呂のあとは必ず水分補給をしてください。
風邪を早く治すポイント
風邪を早く治すには体力を回復することが一番です。体内に侵入した風邪の細菌やウイルスを体力で追い払うようにするのが大切です。風邪薬は風邪そのものを治す薬ではなく、風邪特有の症状を軽くするためのものですから、風邪薬を服用しても1日では風邪は治りません。体力回復するには、体をゆっくりと休めることと栄養のある食事を取ることが必要です。
風邪を引いたら体を温めるとともに保湿することも大切なので、食事もそういう効果のあるものを選びましょう。また、風邪を引いたら体力が弱っていますので、消化の良いものにしてください。たまねぎやニラや大根などには免疫を高める働きがありますし、生姜には体を温める効果が期待できます。みかんやレモンやイチゴなどでビタミンＣの補給も忘れないようにしましょう。
マスクは風邪の予防にも効果がありますが、風邪を引いたら必ずマスクをして鼻や喉を保護してください。手洗いとうがいは欠かさずやってください。人混みに出かけるのはできる限り避けてください。睡眠を十分にとって体力を回復し、その体力で風邪と戦ってやるという意気込みを持てば、風邪を退散させることができるでしょう。
まとめ
体を温めることと保湿すること、これが風邪にかかったときの基本的対処法です。風呂に入ることはまさにこの対処法にピッタリなのですが、入り方を間違えるとかえって風邪を悪化させてしまうことがありますので注意してください。風邪を引いたくらいでは仕事は休めないということもあるかと思いますが、風邪と戦うための体力を回復できるよう、風呂に入って体を温め、十分な水分補給と栄養補給をしてください。睡眠を十分にとることも忘れないでください。