離婚時に慰謝料は浮気相手に請求できる?別れる前に知っておくこと

浮気は夫だけの責任でしょうか?歌舞伎役者にとって浮気は芸の肥やしなどと言われていたこともあったのですが、最近は浮気や不倫に対して世間の風は厳しくなってきました。家制度というものが明確に存在していた時代はもう終わり、今や核家族の時代ですから、その核になる夫婦は精神的にも肉体的にもしっかりと結びついていることが必要です。芸能界でも不倫に対して厳しくなった背景にはそういう家族事情の変化があると考えられます。とすれば、夫の浮気相手はそれを知りながら浮気をしたのですから、知らなかったではすまされません。場合によっては、妻子ある男性と知りながらその女性の方からアタックしたケースもあるでしょう。夫の浮気によって精神的苦痛を受けた妻は、夫はもちろんその浮気相手にも慰謝料を請求することができます。

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浮気相手に請求できる慰謝料の相場

浮気は夫だけの責任ではなく、その浮気相手にも慰謝料を請求できるとしたら、その相場はいくらくらいなのでしょうか。そもそも慰謝料そのものに相場があってないようなものなので、一概には言えませんが、夫の支払う慰謝料の3分の1が相場と言えます。またこの浮気が原因で離婚する場合と、離婚はしないけれどこちらの精神的苦痛を相手に償わせたい場合とで、慰謝料の金額も変わってきます。

浮気相手に請求できる慰謝料は、50万円~300万円くらいと考えると、離婚する場合は200万円前後、離婚しない場合は50万円~100万円程度となります。

請求できる場合

慰謝料を請求するためには法的根拠が必要です。例えば夫の帰宅がいつも遅いのはある女性と夕食を一緒に食べていることが理由だとしても、それはたんなる仕事の打ち合わせだと言われてしまえば、浮気と断定する根拠がありません。夫とその女性の間に確実な不貞関係がないと慰謝料は請求できません。逆に夫とその浮気相手の間に不貞関係があれば、その女性が夫を誘惑した場合だけではなく、夫がその女性を誘った場合でも妻はその女性に慰謝料を請求することができます。

請求できない場合

キリスト教では、あの女性とそういう関係になりたいと心の中で思っただけで「罪」になるそうですが、現代社会では心の中で思うだけならどんなに恐ろしいことであっても罪にはなりません。もちろん、夫とその女性が一緒に食事をしたり飲みに行ったりしても、ただそれだけでは不貞関係と認められませんので、慰謝料は請求できません。仮に夫がたんなる浮気ではなく本気でその女性を好きになっても、不貞関係を示す証拠がなければ慰謝料は請求できません。

証拠は必要

慰謝料を請求するためには、夫とその女性が不倫をしているということを示す証拠が必要です。一番いいのは夫とその女性のベッドでの写真ということになりますが、もちろんそれを入手することは不可能です。夫とその女性がラブホテルに入っていくところの写真があれば、それが証拠になるかというと、それだけでは必ずしも証拠にはなりません。なぜ証拠にならないかというと、肉体関係がわからないとダメだからです。ラブホテルは肉体関係を持つために男女のカップルが入っていくための施設ではありますが、内密で仕事の相談をするためだったという言い訳をされたら、浮気の証拠としては不十分になってしまいます。

また、最低でも40分間はラブホテルにいないと肉体関係を持つことはできませんから、ラブホテルに入っていく写真とラブホテルから出てきた写真をそろえておく必要があります。また、同じ女性と複数回ラブホテルに行った証拠がないと、一回だけの出来心だったと言われてしまったら、不貞行為として認められないことがあります。

離婚と慰謝料どっちがいい

夫の浮気が原因で離婚する場合も、二度と浮気はしないと夫に約束させて離婚を思いとどまる場合も、慰謝料は請求できます。ただしその金額は、離婚する場合は離婚しない場合の倍額になるのが基準です。離婚してしまった方が慰謝料は高いのです。ただし、離婚してしまったら慰謝料をもらったとしても、それからあとの生活費までを要求することはできません。一般的な相場が最高でも300万円から500万円だということを考えると、浮気した夫と離婚すると損すると考えていいでしょう。その程度の慰謝料なら、離婚後の生活であっという間に使い切ってしまうからです。

ある有名な俳優と女優の夫婦で、夫は俳優ですから女出入りが激しくて浮気はよくしたということです。その度に妻は夫に宝石を買ってもらい、浮気を許したということです。浮気をした夫と離婚するかどうかは、よく考える必要があります。もちろん、夫がその浮気相手の女性を本気で好きになってしまい、自分と別れたいということになるとまた話は別です。そうならないように、夫婦関係についていつも考えておくようにしないといけません。浮気がたんなる浮気ですんでいるのなら、離婚するのは少し考える必要があります。

よく考えたけれども結局は離婚するしかないと結論した場合には、慰謝料だけではなく冷静な判断をして相手から受け取れるものを少しでも多くしておかなくてはいけません。子供の親権をどうするかということがまず問題になりますが、母親が引き取る場合が多いので、その場合には離婚後も養育費を毎月一定額受け取ることができます。結婚後に形成された財産については、財産分与して一定額を分割して受け取ることができます。熟年の場合は、年金分割をきちんとしておかなくてはなりません。

まとめ

浮気が悪いことは誰でも知っています。しかし魔が差すという言葉があるように、ちょっとした出来心で浮気をしてしまった夫を許せるかどうかが問題です。夫とその浮気相手から慰謝料を取って、それで夫を許すことができればそれが一番安心です。反省してこれからは夫婦生活をこれまで以上に親密なものにしていけばいいのですが、そううまくいかない場合もあります。よくよく考えた結果やはり離婚するということになったら、慰謝料だけではなく養育費や財産分与などについて冷静に話し合って決定してください。

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