離婚の財産分与で損をしないために?住宅ローンと退職金もアレです!

離婚後と財産分与の関係はなんでしょうか?離婚と言えば慰謝料のことがまず思い浮かびますが、慰謝料というのはその言葉の通り、肉体的あるいは精神的に傷つけられたときに、それを少しでも緩和するために傷つけた相手から支払われるものですから、必ずしも慰謝料がもらえるとは限りません。むしろ逆にあなたが相手に慰謝料を払わなくてはならない場合さえあるのです。夫婦というのは共同して生活しているものですから、夫婦生活をしている間に財産形成が行われます。これが離婚のときに分割される財産分与となり、慰謝料とは違って確実に受け取れるものです。しかし、住宅ローンなど借金がある場合はどうなるでしょうか。また何を基準に金額などが決定されるのでしょうか。

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財産分与って何?

財産分与というのは、夫婦生活を始めてから形成された財産を分けることです。財産は、土地や建物などの不動産と、貯金や有価証券や家具や貴金属などの動産に大きく分けられます。これらのうち夫婦の共有財産として認められるものは離婚のときに分割しなくてはなりませんし、また夫婦それぞれにそれを分割して受け取る権利があります。

主婦と共働きのケース

専業主婦というのも最近ではかなり少なくなってしまい、選挙の公約に待機児童ゼロというのを掲げるくらいですから、結婚してからもそのまま仕事を続ける人も多くなっています。専業主婦の場合収入はゼロですから、財産分与といっても分けてもらえる財産などないと考えられているかもしれませんが、そうではありません。家事をして夫の仕事を支えたということで、基本的には結婚後に形成された財産の30~50%を受け取れることになっていますが、近年は50%というのが一般的になっています。

共働きの場合は、それぞれの収入がありますから多少複雑になってきますが、共有財産については50%というのが原則です。ただし、妻が働きながら家事や育児もこなした場合は、その分が専業主婦の財産分与分として上乗せされたケースもあります。

財産分与の対象

財産分与の対象となるのは。まずは手持ちの現金です。これは分割しやすいですが、逆に隠すことも容易なので注意してください。預貯金については結婚後に蓄積されたものが財産分与の対象になります。現金に準ずるものとしては有価証券がありますが、これも結婚後に取得されたものであれば財産分与の対象になります。また、結婚後に買った家具や食器なども財産分与の対象になります。これらは法的には動産と呼んでいます。動産が財産分与の対象ということは、もちろん不動産も財産分与の対象になりますが、不動産は長期間のローンによって取得するのがふつうですから、自分たちのものであって自分たちのものではないという特殊な状況にあります。これについてはまた後で考えることにしましょう。

退職金も給料の一部ということですから、財産分与の対象になります。ただ、すでに受け取っている場合やまもなく受け取れる場合は基本的に半分が配偶者のものであると考えられます。しかしまだ何十年も先ということであるならず、そう簡単にはいきません。就業期間と結婚期間の比をとって計算することは可能ですが、何十年か先となると計算に入れない方がいいでしょう。年金は、基礎年金部分については個人支給ですので問題はありませんが、共済年金や厚生年金については、平成20年4月1日から法律が変わりましたので、いくら受け取れるのか法律相談を受けてください。

対象外のもの

財産分与はあくまでも結婚後に形成された財産ということですので、相続は財産分与の対象にはなりません。離婚後に元夫が死んだ場合、元妻には遺産相続の権利はないのです。結婚前のものも財産分与の対象にはなりません。ですから、奥さんの持参金や、昔風に言うと「嫁入り道具」なども分割されることはありません。結納を交わしたときに目録を交換することがありますが、それはそれを想定した財産目録ということになります。もっともその時点では離婚などとは考えていないでしょうが、ヨーロッパでは結婚する時に財産分与や相続などについて契約書を作成しておくことが普通になっているようです。

不動産

一般的に不動産は長期のローンによって購入していますから、このローンの残額がどの程度あるのかが重要な問題になります。また、その不動産を売った場合の金額とローンの残債との差額を計算しなくてはなりません。ローンをすべて返却し終えている場合はその不動産の売却価格がそのまま財産分与の金額になります。ローンの残債より不動産の売却価格が大きい場合をアンダーローンといいますが、この場合はその差額が財産分与の対象になります。その逆にローンの残債が不動産の売却価格より大きい場合をオーバーローンといい、この場合は売却価格との差額が借金ということになります。不動産を売却するためには、そのための手続きをしなくてはなりません。手続きをするためにはいくつか書類が必要です。不動産の登記済権利証と固定資産税・都市計画税の納税通知書が最低限必要になってきます。

借金はどうなる?

借金がある場合どうするかということですが、この借金が夫一人の責任であるならば妻はまったく関知する必要はありません。しかし夫婦生活に必要なものとして借金した場合は、これも財産分与の対象となり、分割する金額からまずこの借金を差し引いて残った金額を二等分するということになります。不動産のオーバーローンもこれに準じることになります。

まとめ

ごくまれに、夫と離婚する際に多額の財産分与を受け取り、結婚と離婚を繰り返すことで財をなした女性などというものが存在していると言われていますが、それはふつうは存在しません。離婚して生活が楽になるということはまずありませんから、財産分与という言葉に惑わされないようにしてください。財産形成といってもふつうの家庭ならばそれほど多くは望めませんから、離婚を決断する前にくれぐれもよく考えてみてください。しかし、いざ離婚すると決めた場合には、できるだけ多くの財産分与を受けるために結婚後に蓄えた預貯金や動産・不動産などを精査することが大切ですから、冷静に対処してください。

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