離婚して別居する場合の生活費は?婚姻費用請求って知ってますか?

別居することになって生活費はどうすればいいのでしょうか?もうこの人とは一緒にいられないということで、離婚を前提に別居を始めた場合、夫婦が別々に生活することになります。離婚を前提にしているといっても、戸籍上はまだ結婚していることになっていますから、扶養義務というものが存在しています。扶養義務があるということは、たとえ別居していても互いの生活費が保障されなくてはならないということです。とはいえ、夫の給料をそのまま二等分できるのか、十分な生活費を受け取ることができるのか、いろいろ問題はあります。

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別居とは?

別居とは、夫婦が別々の住居に暮らすことですが、例えば夫の単身赴任の場合、確かに別々に暮らしてはいますが、生計を共にしていますからこれは別居とはいいません。別居とは、夫婦関係が破綻していることが前提条件になっています。別々に暮らしていても、たまの日曜日には一緒に食事をするとか、普段から密に連絡を取り合っているとか、そういう場合はここでいう別居には相当しません。

もちろん、離婚を前提にして別居したからといって、その後まったく会うことはないということもないでしょう。たまの日曜日に会って離婚について話し合ったり、普段から離婚について密に連絡を取って話し合ったり、表面的には先ほど挙げたことと同じことをしている場合もあります。そこで、別居していることを双方が署名捺印して、いつから別居を始めたかということを書面として記録しておくことをお勧めします。あるいはまた第三者の証言を書面にしておくのもいいでしょう。ともかく、これが離婚を前提とした別居であることを互いに認めることが必要なのです。もちろん、一度は破綻した夫婦関係でも、時間が経って修復することもありますから、その時は別居を解消すればすみます。

離婚するまでの期間は?

離婚を前提として別居したとしても、実際にはすぐに離婚ということにはなりません。子供の親権をどうするか、養育費をどうするか、財産分与や慰謝料をどうするかなど、互いに話し合うかあるいは家庭裁判所の調停などを通じて決定しなくてはなりません。そのためにはかなりの時間がかります。離婚を前提に別居してから正式に離婚するまでの期間としては、2~3年というのが基準になります。逆に言うと、離婚というのはたんに夫婦二人だけの問題ではなく、いろいろなことが関係してくるので、とりあえず別居した場合にはそれくらいの期間を必要とするのです。

別居の生活費

別居するにはまず引っ越し先を考えなくてはなりません。そのためには、契約金や不動産会社の手数料など、家賃以外にかなりの経費が掛かります。実家に帰るということであればそれを考える必要はありませんが、まあそれは考えないことにします。また、転居するための引っ越し費用もかなりの負担になります。しかしこれらの経費は一時金ですので、配偶者負担ということにできれば、ほとんど考慮する必要はありません。基本的には一人暮らしか、子供を連れて生活するかによって、月々の生活費は変わります。

住居費に光熱費と食費は最低限度必要なものですが、そのほかに学費もかかりますし、趣味や教養のための費用、たまには子供と遊園地などに行くための費用など、意外に必要な出費は少なくありません。ただし、生活費はどれぐらいかかるかという質問に対して、それまでの家族の年収や生活水準などによって異なりますが、一般的な相場としては10万程度が最低限度額です。もちろん多いに越したことはありませんが、それぞれ別に生活費がかかることですし、それほど多くは望めないのが現実です。

婚姻費用請求を

婚姻費用とは何かと言いますと、夫婦関係が破綻して別居ということになっていても、戸籍上はまだ婚姻していることになっていますから、別居して生活するための費用が婚姻費用ということになります。婚姻費用というのは法律用語ですので、簡単に言うと生活費と言い換えてもかまいません。夫婦が同居し共同して生活している場合は、夫と妻の収入の合計をベースにして婚姻費用も共同で出費されていますから、それほど意識することはありませんが。

別居ということになると、たとえ妻の収入がゼロであっても、夫の収入に応じた額の婚姻費用が受け取れます。夫と妻それぞれの年収と子供の数・年齢などから婚姻費用の額を算出する計算方法があります。例えば夫の年収が600万円で妻が0円で子供がいない場合の婚姻費用は8~10万円となります。この額をベースにして、子供1人つき2~3万円プラスするとともに、妻に年収がある場合は100万円につき2~3万円程度減らすということになりますが、これはあくまでも目安であって、最終的には話し合いで決定することになります。従って夫婦間の合意が大事なので、いつからもらえるかということも最終的には合意によりますが、別居開始と同時に婚姻費用がもらえないと困ってしまいます。また、いつまでもらえるかということですが、これは別居期間が終了するまで、つまり正式に離婚が成立した時か、その逆に関係が修復されて再び生活が元に戻った時です。

婚姻費用が認められない場合

原則として婚姻費用の請求ができるといっても、例えば妻の側に不倫やDV・モラハラなど別居の原因がある場合は婚姻費用が認められません。あるいは、何の話し合いもなく妻が勝手に家を出て別居していたり、妻が夫を家から追い出したりしている場合もやはり婚姻費用の請求が却下されます。また、別居期間が長期に及んだり、別居中に妻が働くことを拒否したりする場合も請求できないことがあります。

まとめ

別居したからといって、まだ戸籍上は夫婦関係にありますから、婚姻費用を請求して受け取ることができます。しかしそれはあくまでも権利であって、権利を行使したからといってそのまま婚姻費用が受け取れないこともあるので注意が必要です。受け取れる額を決定するのにいろいろな要因があり、それらを勘案した算定表もありますが、最終的には話し合いで決めることになります。

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