結婚しない理由を調査してみたら独身のメリットがわかりました

おとぎ話はふつうこうして娘は王子様と結婚して幸せに暮らしましたというところで終わります。結婚して幸せになるということは昔から人間の憧れだったのですが、現代では結婚しない男女が増える傾向にあります。結婚すべき年齢を意味する結婚適齢期などという言葉も、現代ではすでに死語になっています。ではなぜ、結婚しない人が多くなっているのでしょうか。その理由を国立社会保障・人口問題研究所の出している出生動向基本調査をもとにまとめてみることにします。

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結婚の意志

結婚していない人のなかには、何か理由があって結婚できないというのではなく、結婚したくないとか結婚するつもりはないというように結婚の意志がない人がいます。18~34歳の未婚者を対象に行われた2015年の調査では、いずれ結婚するつもりと結婚の意志を示した男性は85.7パーセント、女性は89.3パーセントになっています。

女性のほうが結婚の意志を持っている人の割合が少し高くなっていますが、どちらも9割を超えていません。それに対して一生結婚するつもりはないと答えた男性は12.0パーセント、女性は8.0パーセントとなっており、平均すると1割の男女が結婚の意志を持っていないことになります。

なお、この調査はほぼ5年ごとに行われています。1987年の調査では、結婚の意志を持っている男性は91.8パーセント、女性は92.9パーセントですが、それに対して結婚の意志を持っていない男性は4.5パーセント、女性は4.6パーセントとなっており、この30年間で結婚の意志を持たない人は男女ともに倍増しています。5年ごとの調査を概観すると、結婚の意志を持つ人は男女ともに減少し、結婚の意志を持たない人は男女ともに増加する傾向にあります。

結婚のメリットと独身のメリット

結婚のメリットについては、結婚にメリットがあると回答した人は、男性が6割台で上下しており、女性が微増傾向にあって、2015年の調査では77.8パーセントと8割に迫る勢いです。結婚にメリットがあると考えているのは、男性よりも女性が多いということがこの調査結果からわかります。

では、結婚することにどんなメリットがあるのかというと、自分の子供や家庭が持てるというのが男女ともに増加傾向にあります。2015年の調査では、男性が36.8パーセント、女性が49.8パーセントとなっており、家庭を持ち子供を育てるということが結婚のメリットの第一位です。

第二位に挙げられるのは、男女ともに精神的安らぎの場が得られるですが、これは減少傾向にあります。2015年の調査では男性の31.1パーセント、女性の29.3パーセントがこの回答を選んでいますが、とくに男性の減少傾向が強くて、これまでは自分の子供や家庭が持てるを抜いて第一位でした。もはや結婚生活に精神的安らぎなど望めなくなりつつあるということでしょうか。

次に、親や周囲の期待に答えられるという回答があり、男性では15.9パーセント、女性では14パーセントがこれを選んでいます。過去の調査結果と比べると、男女ともにV字型になっていて、周囲の圧力によって結婚に至る傾向が復活しつつあるということです。

精神的安らぎの場が得られると同様減少傾向にあるのが、愛情を感じている人と暮らせるです。愛によって結ばれるというおとぎ話は消えつつあるということです。

社会的な信用や対等な関係が得られるという回答も男女ともに減少傾向にあります。2015年の調査では男性が12.2パーセント、女性が7.0パーセントですが、かつて男性では自分の子供や家庭が持てるを抜いて第一位でした。特徴的なのは経済的に余裕がもてるという回答が、男性では5.9パーセントと低いのに、女性では20.4パーセントとなっており、男女格差が大きくなっています。しかも女性はこの回答が急増しています。精神的安定ではなく経済的安定を求めて結婚する女性が増えているということでしょう。

これとは反対に、2015年の調査では男性4.6パーセント、女性2.6パーセントとなっている生活上便利になるが、男性のみ減少傾向にあります。男性も家事労働に参加するようになったことを示しているのでしょう。ちなみに女性はほとんど変化していません。

親から独立できるが男性で4.0パーセント、女性で6.7パーセントとなっていて、わずかですが女性にこの傾向が強く見られます。その逆に、性的な充足が得られるは男性で1.6パーセント、女性で0.2パーセントと、男女ともに低いのですが、男性は女性の8倍ということになります。

結婚のハードル

結婚のハードルとしては、男女ともに第一位が結婚資金で、男性43.3パーセント、女性41.9パーセントです。最近は芸能人でも入籍しましたと通知することも多くなり、かつては一生に一度の結婚披露宴を盛大に挙行したものですが、それが現在では負担になっているようです。

男性の第二位は結婚のための住居で、女性の第二位は職業や仕事上の問題となっています。働く女性にとって結婚して家庭を持つことがハードルになっていることがわかります。

また親の承認が男性で8.5パーセント、女性で14.3パーセントとなっており、お嬢さんをお嫁さんにくださいというかつての決まり文句がまだなんとか生き残っていることがわかります。ただし、かつては25パーセントの女性がこの回答をしていたので、結婚は結婚する二人が決めることという民法に近づいてきたようです。

独身の理由

独身でいる理由は、年齢層によってかなりの差があります。18~24歳の若い年齢層ではまだ若すぎるまだ必要性を感じないまだ学業に打ち込みたいなどが結婚しない理由としてかなりの割合を占めています。

25~34歳の年齢層では、適当な相手にめぐり会わないだ男女ともにトップになっています。女性では51.2パーセントと半分を超えていますが、ある程度年齢が高くなると俗にいう目が肥えてくるということになり、男性をいろいろな観点から吟味するようになるのでしょう。

独身者の意識変化

一生結婚するつもりはないと答えた独身者のうち、18~34歳の男性の41.4パーセント、女性の50.7パーセントがいずれ結婚するつもりだと答えていたのです。

約半数の男女は、結婚する意識は持っていたものの、何かの理由で結婚しないことになったのです。熟年離婚の反対に熟年結婚がありますが、一生結婚するつもりのない独身者も、もともとは結婚するつもりだったとすれば、適当な相手とめぐり会うことができれば結婚することもあるということです。

まとめ

年齢層別、男女別に、結婚しない理由の質問に対する回答の結果を概観してみました。ほぼ5年に一度の調査を見てみると、男女の意識に時代の波を読み取ることができます。結婚しない男女はこれからますます増加する傾向にあると考えていいでしょう。

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