結婚しない長男|本人の問題だけでなく親の婚活サポートも大事

かつて日本に家制度があったときには、息子とくに長男はしかるべき相手と見合い結婚をして、家を相続しなくてはなりませんでした。ここでいう家とは土地や建物のことではありません。遠い先祖から続いてきたものをいろいろな形で総合したものが家ということになり、それを守っていくことが息子、とくに長男の役目だったのです。

今ではその家制度も崩壊し、民法でも結婚は両性の合意によって成立するとなっていますから、長男が家を守るために結婚、その当時の言葉でいえば嫁をもらうことはなくなりました。しかし、親としてはそういう問題とは別に、いつまでも結婚しない長男がいたら、つい心配になってしまいます。弟や妹たちは結婚しているのに長男だけがいつまでも結婚しないということになると、さらに心配は大きくなります。長男が結婚しないのはなぜでしょうか。

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長男が結婚しない原因

長男とか次男とかに限らず、結婚しない男性の割合は年々増えてきています。2010年の国勢調査の結果を見ると、50歳まで結婚しないでいる男性の割合は、県によって多少の差はあるものの4人に1人くらいです。結婚しない女性が1割を超える程度ですので、結婚しない男性の比率は女性の2倍以上ということになります。

結婚を嫁入りといっていた時代はすでに過去のものになったとはいえ、それでもまだ男性は、妻子を養うだけの甲斐性がないといけない、ということがどこかに残っています。ということはつまり男性は、結婚生活を支えるだけの経済力がないとダメということになります。それが、結婚しない男性が増えていることの原因のひとつになっていることは確かです。

しかし、たとえ妻子を十分に養っていけるだけの経済力があっても、そのお金を自分の趣味に使いたいという男性がいます。結婚したらお金だけではなく時間も取られてしまうから、ずっと独身でいることに決めている男性が増えてきているのです。

結婚を嫁入りと呼んでいた頃は、家事も育児も両親の世話もすべて嫁に押しつけられていましたが、現在では働く女性も増えたため、家事や育児の分担は当たり前のことになっています。その一方で、ひとり暮らしをしていても、コンビニもあることですからそれほど不便を感じなくなっています。4人に1人の男性が独身でいるというのも、そのあたりに原因があるのかもしれません。

長男が結婚できない問題点

男性のなかでもとくに長男が結婚できない理由には、結婚する相手の女性やその両親が、嫁入り時代の名残でしょうか、次男ならいいと考える傾向がまだ残っていることがあります。民法上は、子はすべて平等ということになっていますが、それでも何かと長男に責任がかぶさってくることがあります。

そのうえ、ひとりっ子が増えてしまったという事情があります。三世代がひとつの家族を構成していた時代とはちがって、今はもう親と子だけの核家族が一般的ですから、父親と母親と男の子または女の子という家族構成で成長した子どもは、両親との結びつきが強くなっています。たとえ弟や妹がいても、長男というのはこのようなひとりっ子の性質を、ある意味ではひとりっ子以上にもっています。つまり、いつまでも親に甘えていたいという気持ちが強くなっているのです。

結婚しない長男は、結婚する必要性を感じることなく、いつまでも親元で自由にのびのびと生活しようとしているのではないでしょうか。

結婚できない子にした親の責任

長男には、なにかと親の重圧がかかるものです。最初に生まれてきた男の子を必要以上に可愛がり、いつまでたっても親離れのできない子に育ててしまった親の責任があります。

女性とうまく付き合っていくためには、その女性の気持ちなどを先回りしてとらえる必要があります。親に可愛がられて育った長男には、そんな気持ちの回し方などできるはずもなく、女性と付き合ったことのない男性が増えています。もちろんそんな男性は結婚もできません。

結婚できない長男への対処法

親にとって子どもはいつまでたっても子どもではあるのですが、ある程度の年齢になったら突き放して、自分の責任で生きていくよう後押しする必要があります。結婚などしないで自分勝手に生きていたい、などというわがままを許してはいけません。

結婚することで得られる家庭生活の喜びなどを、自分たちの過去を例にして、長男に教えてみてはどうでしょうか。結婚したら時間もお金も自分ひとりで使うことはできず、いろいろ我慢しなくてはならないことが増えてきます。しかし、そういう経験をしてこそ人間社会に生きる大人になれるのです。

結婚していない男性は社会人として一人前にはなれなかったという時代もありましたが、とかく個人の自由を尊重する現代にあっては、独身だからといって社会生活に支障はないように見えます。しかし、親としては、長男が一人前として生きることのメリットを、いろいろと示してみなくてはなりません。

大事な親の婚活サポート

結婚したいと思える相手が見つかれば、結婚そのものは意外と簡単です。それは、結婚が嫁入りと呼ばれていた時代とは違う現代のメリットです。昔は、長男のところに嫁入りするとなると、もう二度と実家には戻ってはこられない、などという覚悟が必要だったそうですが、今はもう、長男だからといって親の面倒を引き受ける必要もありませんので、長男の結婚相手はかなり気楽になっています。

この気楽さをさらに具体化するために、親の婚活サポートが有効です。現在では、親同士のお見合いがあります。親の面倒を見る必要はないとしても、それぞれ相手の親と付き合っていく必要がありますから、まずは親同士が親しくなっておくのもひとつの方法です。いつまでも結婚しない長男がいたら、積極的に親同士の婚活パーティーに参加してみるのも悪くありません。

まとめ

長男に家の責任がすべてかかっていた時代はもう過去のものではありますが、やはり長男として生まれたことには何か意味があります。そのためになかなか結婚できない、あるいは結婚しない長男も多いことでしょう。親としては心配になりますが、ただ心配しているだけではなく、結婚しない長男に結婚生活のメリットを教えたり、ちょうどよい相手を見つけてきたりしてみてはどうでしょうか。

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