時候の挨拶~3月編~手紙の書き出しと結びも紹介するよ!

3月は弥生(やよい)といいます。3月といえば3月3日のひな祭りですね。ひな祭りは桃の節句ともいいますが、2月の梅、3月の桃、そして4月の桜と、きれいな花が続きます。3月はまた卒業の月でもあります。そろそろ桜の便りが聞こえはじめる頃、巣立っていく人たち、それを見送る人たち、さまざまな思いの交錯するのが3月です。下旬には春分の日があります。太陽と地球との位置関係から、昼と夜の時間がそれぞれちょうど12時間となるのが春分の日です。ですから春分の日を過ぎると、昼は少しずつ長く、夜は少しずつ短くなっていきます。早春から本格的な春に向かうのが3月です。時候の挨拶もこの季節の推移に合わせることが大事です。

スポンサーリンク
スポンサーリンク

3月の時候の挨拶(読み方)

上旬は、2月4日の立春から1ヶ月たったので、ようやく春らしくなってきたというところです。時候の挨拶には次のようなものがあります。
早春の候(そうしゅんのこう)
軽暖の候(けいだんのこう)
浅春の候(せんしゅんのこう)

中旬になると、立春から立夏のあいだのちょうど真ん中なので、次のような時候の挨拶が考えられます。
春暖の候(しゅんだんのこう)
萌芽の候(ほうがのこう)
弥生の候(やよいのこう)
春分の候(しゅんぶんのこう)
春分は、年によって違います。2017年は3月20日が春分の日ですが、ふつうはそれより少しあとになります。中旬に使ってもいいのか、下旬に使うべきなのか、少し迷うところですが、春分が過ぎる前に使いますから、中旬から使い始めてもいいでしょう。

下旬になると、この春分の日が過ぎていますから、もうすっかり春ですので、春の陽射しの明るさなどが、時候の挨拶の言葉に表れます。
陽春の候(ようしゅんのこう)
春色の候(しゅんしょくのこう)

3月の時候の挨拶(例文)

では、これらの時候の挨拶を使って例文を考えてみることにしましょう。

早春の候、貴社におかれましてはますますご発展のこととお喜び申し上げます。
浅春の候、皆様方にはいかがお過ごしのことでしょうか。
春分の候、○○様にはお変わりなくお元気のことと存じ上げます。
弥生の候、ご家族の皆様にはその後ますますご健勝のことと存じます。
春色の候、いよいよ卒業の日が迫ってまいりましたね。
陽春の候、もうすっかり春の暖かさになり、また久しぶりにお目にかかりたくなって参りました。

3月の手紙の書き出し(例文)

次に手紙の書き出しの例文をいくつかあげておきます。

春とはいえまだまだ風の冷たい日々、皆様方にはお変わりなくお過ごしのことでしょうか。
春の霞が山の裾野にたなびく今日この頃、お元気にお過ごしのことと思います。
春分の日を過ぎて、こちらは桜の花がちらほらと咲きそめております。
三月三日の桃の節句、○○ちゃんはますます可愛くなられたことでしょうね。
一雨ごとに暖かさが増している昨今、そちらは桜のつぼみもふくらんできたことでしょう。
快い春の風に、身も心も軽やかなこの季節、昨年暮れにはおいしいお料理をご馳走になり、感激しております。

3月の手紙の結び(例文)

手紙の結びの言葉も、やはり春爛漫の色彩を出してみたいですね。

○○君には、素晴らしい門出でありますよう、お祈りしております。
四月からの新生活、お体に気をつけてよいスタートをしてください。
春とはいえ風の冷たいこの季節、くれぐれもご自愛ください。
春の陽気にのって貴社のますますのご発展を祈念しております。

3月を外国語では?(英語、フランス語)

3月は英語ではMarch(マーチ)、フランス語ではMars(マルス)です。英語とフランス語が似ているのは、どちらもラテン語からきているからです。古代ローマでは、3月から1年が始まり、2月で1年が終わっていました。ですから、3月は新しいスタートの月です。マルスは火星の神で、また戦いの神でもあります。古代は、冬のあいだは戦争をしなかったので、春になっていざ、戦場へ!と軍を進めていたので、英語のマーチが行進曲の意味も含んでいるのはそのためです。ヨーロッパは日本よりずっと北にあるのですが、季節感は比較的近いと言えます。日本では、3月に卒業式があり、4月に入学式や入社式がありますが、古代ローマのマルスと共鳴するものがあります。

3月の行事と出来事

3月といえばまず思い浮かぶのがひな祭りです。3月3日のひな祭りは桃の節句とも言われますが、桃の花をおひな様に飾ってお祝いをします。節句の節は、2月の節分の節と同じで、この日が季節を分けるのです。2月3日の翌日の2月4日は立春でしたが、3月5日が二十四節気の啓蟄(けいちつ)です。啓は開くという意味で、地面の下で冬ごもりをしていた虫たちが冬眠から目覚めて地上に出てくることを意味しています。蟄はカニとも読めますが、カニが固い甲羅のなかに内蔵などその生命を維持するためのすべてを閉じ込めているように、虫や蛇や蛙などが地中深く閉じこもっていることを表しています。

3月13日は、奈良の春日大社(かすがたいしゃ)の春日祭で、その神社の名前からいっても春が感じられますが、奈良の東大寺とならんでいる春日大社は、奈良時代にはここが日本の中心だったのです。この春日祭こそ春の大きな祭なのです。年によって違いますが、2017年は3月17日が彼岸(ひがん)の入りです。彼岸とは川の向こう岸ということです。生と死とを分ける川の向こう岸が彼岸で、死の世界を表します、それに対して、われわれの生きているこの世界を此岸(しがん)といいます。彼岸には、死者の霊が此岸に戻ってくるのです。

春分の日を中心とする1週間が彼岸で、この期間に墓参りをして死者の霊を弔います。秋分の日を中心とする1週間は秋のお彼岸で、3月は春のお彼岸です。お彼岸は年に2回あります。お彼岸にはおはぎを仏壇に供え、供えたあと戴きますが、おはぎは秋のお彼岸のお供え物で、春のお彼岸ではぼた餅を供えます。ぼた餅は牡丹餅で春から夏にかけて咲く牡丹の花のイメージで、おはぎは秋の七草の萩のイメージです。ぼた餅とおはぎは結局は同じものなのですが、季節によって呼び名が違うのです。

季節によって呼び名が違うということでいえば、春と秋は気温の差が激しいので、空気中の水蒸気が細かい水滴になって、霧が発生します。春と秋にこの同じ気象現象が起こりやすくなるのですが、秋にはこの現象を霧と呼び、春には霞と呼んでいます。霞と霧は同じ気象現象なのに、季節によって名前か異なるわけです。

彼岸明けの頃に卒業式がありますね。ここまで来ると、もう4月はすぐそこに来ています。

まとめ

立春から数えてほぼ1ヶ月たつと3月です。日本が昔から使ってきた旧暦と、現在用いられているヨーロッパから来た新暦とでは、少しずれているので、立春といってもまだ春は遠くにあるように感じられます。3月になるともう文字通り春ですが、ひな祭りの頃はまだ早春です。下旬になると春分の日が来て、今度は夏に向かって季節が動いていきます、3月は卒業の季節ですが、陽光も力強くなり、木も芽吹き、花も咲きますから、時候の挨拶もどこか華やかなものになります。それにふさわしい言葉を選んでみてください。

スポンサーリンク
スポンサーリンク
スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする