時候の挨拶~新秋の候(しんしゅうのこう)手紙の書き出しも紹介

長月とも言われる9月から秋の夜長が感じられるようになってきます。9月を長月(ながつき)といいますが、これは夜長月を略したものだと言われています。8月のお盆以来なんとなく夜が長くなっていることに気づくのが9月ということでしょう。9月23日頃に、秋分の日があるので、その日を境にして昼より夜の時間が長くなっていきます。「暑さ寒さも彼岸まで」ということわざの通り、9月上旬には残暑と言っていいような暑い日もありますが、下旬になると本当にもう秋ですね。また仲秋の名月は旧暦の8月15日なのですが、新暦ではたいてい9月にあります。ただ2017年は10月4日が満月なのでそれが仲秋の名月ということになります。

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9月の時候の挨拶(読み方)

9月になってもまだ昼間は暑い日が多いですが、朝夕少しずつ涼しくなっているのが肌で感じられます。9月上旬の時候の挨拶にはつぎのようなものがあります。
新涼の候(しんりょうのこう)
新秋の候(しんしゅうのこう)
初秋の候(しょしゅうのこう)

二十四節気の白露を過ぎて9月も中旬になりますから、9月中旬の時候の挨拶としては次のようなものがあります。
白露の候(はくろのこう)
涼風の候(りょうふうのこう)
秋晴の候(あきばれのこう)
野分の候(のわきのこう)
爽秋の候(そうしゅうのこう)

下旬には秋分の日があります。秋分の日はまた秋のお彼岸ですから、「暑さ寒さも彼岸まで」ということわざ通り夏の残暑も本当にこれで終わりですから、時候の挨拶も秋の涼しさが用いられます。
孟秋の候(もうしゅうのこう)
秋冷の候(しゅうれいのこう)

9月の時候の挨拶(例文)

それでは、時候の挨拶の例文をいくつかあげてみます。
新涼の候、夏の疲れから回復されたことでしょうか。
初秋の候、皆様方にはお変わりなくお過ごしのこととお慶び申し上げます。
白露の候、貴社におかれましてはますますご繁栄のことと存じ上げます。
秋晴れの候、○○様とそのご家族の方々にはいかがお過ごしのことでしょうか。
秋冷の候、ますますお元気に毎日を楽しんでおられることと思います。

9月の手紙の書き出し(例文)

9月には虫が鳴き始めたり、秋の草花が咲いたり、学校の行事があったり、夏の暑さが去ってほっとしているところでしようから、さまざまな手紙の書き出しが考えられます。
蝉の声が聞こえなくなったと思ったら、コオロギの声に心癒やされる毎日ですが、その後お元気にお過ごしのことでしょうか。
コスモスが空気を秋の色に塗り替え始めている今日この頃、しばらくお目にかかっていませんがお元気でしょうか。
昼間はまだ夏の余韻を感じるほどの暑さですが、朝夕はめっきり涼しく過ごしやすくなっていますね。

9月の手紙の結び(例文)

手紙の結びとしては、やはりこの秋の爽やかさを伝えるのがいいと思います。
まだしばらく残暑が続くと思いますので、どうかお元気でお過ごしください。
秋といえば実りの秋、実り多い日々でありますよう心からお祈りしております。
鈴虫の奏でる音楽のように、健やかにお過ごしなさることを祈念しております。
朝夕少し冷え込むこともあと思いますので、くれぐれもご自愛ください。

9月を外国語では?(英語、フランス語)

英語ではSeptember(セプテンバー)、ドイツ語では同じつづりでSeptember(ゼプテンバー)、フランス語ではSeptembre(セプタンブル)です。1月から6月まではローマ神話の神々の名前がその月の名前になっていますが、7月にユリウス・カエサルの名前が入り、8月にオクタヴィアヌスが元老院からもらった皇帝の称号であるアウグストゥスが入ったために、本来7月だった月の名前が9月になったのです。つまり、ラテン語でseptというのは数字の7を意味する語なのですから、英語もドイツ語もフランス語も9月は「7の月」ということになります。

9月の行事と出来事

9月1日は夏目漱石の作品の表題にもなっていますが、二百十日です。これは立春から数えて210日目の日ということなので、年によっては少しずれることもあります。1923年9月1日には関東大震災が起こっていますが、その記憶を消さないようにと防災記念日にもなっています。

9月7日頃は二十四節気で白露です。昼間はまだ残暑ですが、朝夕は少し冷え込んできますので、朝に露がおりていることがあります。その露に白という色をつけるのは、「春は青、夏は朱、秋は白、冬は黒」という色が割り当てられているからです。詩人の北原白秋はまさにそれを雅号に用いたのです。

9月9日は五節句の重陽(ちょうよう)で、旧暦では菊の花が咲く頃なので菊の節句とも呼ばれています。邪気を祓い長寿を願う日です。二十四節気の秋分は9月23日頃で、国民の祝日になっています。その前後1週間がお彼岸で9月20日頃が彼岸の入りで、亡くなられた方の霊がこの世に戻ってくるのでお墓参りなどをします。

まとめ

9月は夏休みも終わり新学期が始まっています。ヨーロッパでは9月からが新年度なので、小学生の入学式は9月に行われます。新学期にしても新年度にしても、9月はなにか新しいという感じがします。それは夏の暑さに身も心もくたびれていたのが、9月になって身も心も引き締めて新しいスタートをきろうという気持ちが、洋の東西を問わず共通しているものと考えていいのかもしれません。朝夕の涼しさ、美しい虫の声や秋の草花など、9月は夏とは違う自然の色彩に染められていく月です。もちろん紅葉にはまだ早いですが。

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